オンライン化の利点と欠点
ロサンゼルス郡建設局で電気工事検査主任を務めるマスタファ・カシェ氏は、同局でのCOVID-19前後における違いについて語った。
ロサンゼルス郡建築課では、COVID-19自宅待避命令の発令前は、太陽光設置においては、設置計画のチェックは窓口を通してのハードコピー(プリントアウト)書類提出が主流であったが、発令後は、全てオンラインでのチェックに転換。許可申請に関しては、発令前にオンラインで許可申請が承認されたことはないが、発令後はオンラインを通して許可を出している。検査においては、発令前は現場点検と遠隔点検の両方を行なっていたが、発令後は遠隔点検を強化したと語った(図3)。
さらに、オンラインによるメリットとデメリットを語った。
メリットには、「より良いカスタマーサービス」「事前予約などの計画が立てやすい」「検査で何らかの不備・欠陥が発見された場合、その場で対処が可能で、再検査を同日に行える」「(検査官が)現地に向かうための時間とお金がかからない」「検査官の安全が確保できる」「検査が行われる正確な時間を提供できる」、「COVID-19だろうが、いつでも検査の予約を入れることができる」をあげた。
デメリットには、「テクニカルな問題が発生しやすい」「施工業者、または検査官がテクノロジーに慣れていない」「検査箇所ではなかった部分に危険な電気サービスがあった場合など、全体像を見落とす可能性がある」「細かい点を読み取ることができない」「全ての施工者が鮮明な動画を送れるとは限らない」「オンラインで修正や解決策を説明することが難しい場合がある」「検査中に検査に慣れた施工者がいない場合がある」「現地検査よりも時間がかかる場合がある」をあげた。
カリフォルニア州アーバイン市の建設局電気工事士シニア検査官のダロルド・ウイレイ氏は、「許可認定と検査をオンラインに移行することにより、建築プロジェクトの前進をサポートでき、それにより建築業の雇用が維持され、給料を支払い続けられる」とし、その経済効果を大きなプラスとした。