特集

新型コロナで軒並みプロジェクト延期、減収・解雇は避けられない?(page 4)

感染対策が及ぼす、米エネルギー貯蔵産業への影響

2020/04/27 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
印刷用ページ

何が遅延をもたらすか?

 さらに、ESAはオンラインで173人のメンバーに対し、エネルギー貯蔵プロジェクトに関して調査した。回答は以下のようになっている。

(1)62%は既にプロジェクトが延期されている。

(2)66%は近いうちに延期になると見込んでいて、44%が、既に短期間(1カ月)の延期の影響を受けている。

(3)37%は6カ月以上の延期を見込んでいる。

(4)多くの回答者は延期がどれくらい長引くか分からないと答えた。

 調査によると、感染拡大対策に伴う多くの措置が新たな障害となり、プロジェクトの遅延をもたらしているようだ。プロジェクトに必要な機材などの出荷が遅れたり、キャンセルされたりしているほか、プロジェクトの現場担当、または立ち合いに出向く人員への出張制限、顧客への直接コンタクトの停止、さらに州政府、または地方自治体レベルで運営される建設局・建設課の閉鎖による許可の滞りなどが背景にある。

 回答者の3分の1は、「ビハインド・ザ・メーター(BTM)」と呼ばれるエネルギー需要家側に導入される分散型電源に焦点を当てていて、BTMセグメントに蓄電池を販売する会社は、経済全体に渡るこの大きな混乱により、需要が大幅に減少することを懸念している。

 ESAは、この調査結果は(産業内での)失業と経済的損害の即時かつ重大な危機の前兆を示すとしている。

 ちなみに、米エネルギー貯蔵産業は、現在6万人以上を雇用し、米国の経済活動に年間約10億ドルの価値を生み出しているという。さらに、コロナウイルス感染拡大前には、米エネルギー貯蔵市場は2025年には年間出力ベースで7.3 GW、年間収入ベース72億ドルにまで成長すると予想されていた。

米国では新型コロナウイルス対策によって経済活動が大きく制約されている
(出所:ジョンズ・ホプキンズ大学のシステム科学工学センター)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング