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「自動切り替え」「非営利」を背景にコミュニティに再投資(page 3)

カリフォルニア州「地域新電力」成功の秘密(前半)

2022/05/02 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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平均保有率は「93%」

 カリフォルニア州北部に位置するマリーン郡は、州で最初にCCA制度を導入した地方自治体である。マリーン・クリーン・エネルギー(Marin Clean Energy:MCE)というNPO法人が2008年に設立され、2010年からコミュニティの電力需要をまとめ、電力を調達し始めた。

 MCEでパブリック・アフェアーのディレクターを務めるジェーミー・タッキー氏は、「MCEは、カリフォルニア州で最初のCCAプログラムです。2010年から顧客にサービスを提供しており、現在はサンフランシスコのベイエリアで37のコミュニティにサービスを提供しています。 カリフォルニア州法により、CCAはオプト・アウトされています。つまり、顧客は自動的にMCEに乗り換えになり、(地域の大手電力会社である)PG&Eに戻るためには、その手続きを取る必要があります。私たちは、平均86%の顧客を維持することに成功しています」と、維持・保有率の高さを強調した。

 86%でもかなり高いが、CALCCAの加盟CCAの平均保有率は、実に93%に達している。つまり、200以上の市と郡の電力需要家の中で、長期間電力を購入してきた地域独占・大手電力会社に戻ったのは、わずか7%に過ぎなかった(図3)。

図3●現在カリフォルニア州で活動する24のCCAの顧客契約口数と顧客保有率
図3●現在カリフォルニア州で活動する24のCCAの顧客契約口数と顧客保有率
(出所:CALCCA)
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 タッキー氏は、MCEの大手電力会社との違いに対して以下のように語った。「MCEは非営利の公的機関であり、PG&Eは営利の投資家所有の公益事業です。私たちはコミュニティに非常に近く、コミュニティに最大の利点をもたらすプログラムとサービスの提供に焦点を合わせているという点で(PG&Eと)異なります。 私たちは(株式上場しているPG&Eと違って)株主に対して説明責任を負わないため、利益の追求ではなく、顧客に利点をもたらすプログラムに投資できます。さらに、私たちは(機関としてのスケールが)より小さく、より機敏であるため、プログラムを迅速に調整でき、コミュニティに最大の価値を提供できます」。

 さらに、「日頃から地域のメンバー(電力需要家)やコミュニティの組織に対しフィードバックを促し、提供するプログラムやサービスを改善します。コミュニティからの意見を聞き、取り入れることで、最も価値のあるプログラムを作れるのです。また、多くの場合、PG&Eと比較して2倍の量の再エネを、同程度またはより低いコストで提供します」と語った。

 次回は、カリフォルニア州で展開するCCAの再エネ調達方法に焦点を当て、CCAの成功の背景を分析する。

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