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系統増強に80億ドル、風力・太陽光を需要地に大規模送電(page 2)

8000マイルの送電線敷設で60GWの再エネ追加

2021/05/07 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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米国は3系統を独立に運用

 米国土木学会(ASCE)のデータによると、米国の送電網システムの大部分は1950年代と1960年代に構築され、それらの平均寿命は50年と想定されている。つまり、既存の送電網は寿命に達したか、それを超えたことになる。

 ASCEは、送電網の経年劣化は、故障率の上昇、広範囲にわたる送電停止、および回復時間の遅延につながる可能性があり、 停止は、公益事業会社だけでなく、この電力に依存している企業や顧客にとっても経済的損失の一因になるとしている。

 米国内の送電網は、西海岸のウエスタン・インターコネクションと東海岸のイースタン・インターコネクション、そしてテキサス州の大きく分けて3つの系統からなっている。これらの送電ネットワークは境界線を越えていくらか電力を融通できるものの、密接に連携するようには設計されていない。

 テキサス州と言えば、今年2月中旬に起きた、大寒波による大規模停電が記憶に新しい。氷点下で寒さが厳しくなり、暖房利用などの電力需要が急激に増加したところに、基幹エネルギーである天然ガスパイプラインや風力発電設備が凍結し、電力供給が滞った。テキサス州の電力網は、近隣の州と繋がっていないため、同州内で電力不足に見舞われた場合、外へ助けを求めることができない。この「電力系統の分断化」は、送電網インフラの改善に向けた投資を促す一因となっている。

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