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系統増強に80億ドル、風力・太陽光を需要地に大規模送電(page 3)

8000マイルの送電線敷設で60GWの再エネ追加

2021/05/07 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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22の基幹送電増強プロジェクト

 分断化と老朽化に加え、もう1つ米国の送電網には大きな問題がある。それは送電線の「容量」だ。

 DOEでエネルギー長官を務めるジェニファー・グランホルム氏は、「再エネ電源の出力規模が大きい地域は、電力需要の多い人口密集地から遠く離れていることが多い。そのため、送電容量が不足した場合には、物理的に送電できず再エネの活用が困難になる。送電容量を増強しないと、これらの発電所から需要地に再エネを確実かつ一貫して供給できない」との問題意識から、「クリーンエネルギーが生産された場所から最も必要とされる場所に確実に送電できるよう、DOEは、電力網全体のレジリエンスを向上させ、送電容量を拡大するプロジェクトに資金を提供する」と語った。

 DOEの発表と同時期に、新規の基幹送電線の建設に関した分析レポートが非営利団体である「米国人のためのクリーン・エネルギー・グリッド(ACEG)」から発表された。「すぐに建設可能な送電網プロジェクト:米国の活用されてない再エネ資源へ繋がる」と題するこのレポートには、もし「より好ましい政府政策・規制が実施されると、短期間に着工できる22の基幹送電網プロジェクト」が挙げられている(図2図3図4)。

図2●現在提案されている22の新規・基幹送電網建設プロジェクト
図2●現在提案されている22の新規・基幹送電網建設プロジェクト
(出所:Americans for a Clean Energy Gridの資料を元に筆者作成)
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図3●米国系統運用機関(ISO)・地域送電機関(RTO)の地図
図3●米国系統運用機関(ISO)・地域送電機関(RTO)の地図
(出所:FERC)
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図4●現在提案されている22の新規・基幹送電網建設プロジェクト
図4●現在提案されている22の新規・基幹送電網建設プロジェクト
(出所:Americans for a Clean Energy Grid)
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