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系統増強に80億ドル、風力・太陽光を需要地に大規模送電(page 4)

8000マイルの送電線敷設で60GWの再エネ追加

2021/05/07 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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太陽光と風力で電源構成19%に

 22のプロジェクトすべてが完了した場合、8000マイル(1万3000km)もの送電線が追加され、42GWの発電容量を追加的に送電できるとしている。

 再エネに関しては、これらの新基幹送電網プロジェクトにより、約2億2000万MWhに達する新規の風力および太陽光発電が導入・送電可能になると予測している。出力規模にすると、60GWの再エネが追加できることになる。これは、風力と太陽光発電の設置規模が現在のレベルから50%増加することになり、さらに、風力と太陽光発電が米国総電力供給量に占める割合が11.6%から19%に増加すると予想している。

 送電網の建設では、いつもコストがボトルネックとなるが、ここでの22の新基幹送電網プロジェクトにかかる総コストは330億ドルに上る。

 これらのプロジェクトを現実化するために、ACEGが「より好ましい政府政策・規制」として挙げるのは、投資を促すために連邦政策である設備投資税額控除(ITC)を基幹送電網に適用すること。ちなみに、太陽光発電産業では、2006年にITCが実施されて以来、市場は100倍以上に拡大し、過去10年間だけで年間平均50%の成長を遂げている。ITCは、米国での市場拡大に大きく貢献してきた。

 実際、バイデン大統領の「米国雇用計画」の中にも送電網向けITCが含まれている。バイデン大統領の「2035年までに100%カーボンフリー電力」という具体的な目標に向け、分断化・老朽化し、容量不足などの問題を抱える送電網の課題を、この政権下でどれだけ克服できるのだろうか(図5)。

図5●「米国雇用計画(アメリカン・ジョブス・プラン)」を発表するバイデン大統領
図5●「米国雇用計画(アメリカン・ジョブス・プラン)」を発表するバイデン大統領
(出所:The White House)
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