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PPAで再エネを割安に調達、太陽光の7割に蓄電池

カリフォルニア版「地域新電力」成功の秘密(後半)

2022/05/15 22:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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「自動切り替え」背景に交渉力アップ

 日本の多くの新電力は、2021年秋以降、卸電力市場の高騰に伴い、電気の仕入れ値が上がっていることなどにより経営が困難になり、撤退も相次いでいる。米国版の地域新電力である「コミュニティ・チョイス・アグリゲーション (CCA)」は、再エネ電力源の長期電力購入契約(PPA)などを通して、より安定した価格で電力を調達し、それにより、顧客によりお手頃な価格のサービスを提供している。

 前回のこのコラムにも記述したが、CCA成功の背景には、「オプト・アウト」と呼ばれる、いわゆる「自動切り替え」の仕組みがある。例えば、電力自由化前の日本で、群馬県の条例のもと、同県の地方自治体が地域新電力を立ち上げたとしよう。すると、「(仮名)群馬新電力」の事業開始に伴い、同県内の電力需要家全てが、地域独占している垂直統合型電力会社である東京電力から、自動的に群馬新電力に切り替えられる。

 「カリフォルニア州は、CCAにオプトアウトモデルを使用しています。これにより、指定された地域内の顧客が自動的にCCAに乗り換えとなります。しかし、全ての顧客は選択肢を持っており、地域独占している垂直統合型大手電力会社から継続してサービスを受けることもできます。この自動的な(顧客の)取り込みによって、CCAは、長期間市場を独占してきた大手電力会社と競争できる十分な顧客ベースを獲得でき、さらに(発電事業者と)有利な価格交渉を可能にします」と、カリフォルニアCCA協会(CALCCA)でコミュニケーション・マーケティング・ディレクターを務めるレオラ・ベステル氏は語った。CALCCAは、カリフォルニア州でCCAの設立・運営の支援とCCAを促進する法律・規制改善に取り組んでいる(図1)。

図1●CCAのビジネスモデル。「電力」はCCAがクリーンエネルギーを調達、「配電」では地域独占のIOUが配電し、送配電網のメインテナンスを担う。「顧客」は、地域でコントロールされた、よりクリーンで手頃な価格の電気を受け取る
図1●CCAのビジネスモデル。「電力」はCCAがクリーンエネルギーを調達、「配電」では地域独占のIOUが配電し、送配電網のメインテナンスを担う。「顧客」は、地域でコントロールされた、よりクリーンで手頃な価格の電気を受け取る
(出所:CALCCA)
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