シェア上位は中国企業が独占
2020年の全世界における太陽電池出荷量は、結晶シリコン系と薄膜系を合せ、前年比7%増の131.7GWに拡大した。出荷量を国別に見ると中国が全出荷量の67%を占め、以前と同じように群を抜く1位だった。
気になるのは、2020年のメーカー別市場シェアだが、太陽光発電市場に関するリサーチ・コンサルティング会社である米SPV マーケットリサーチ(SPV Market Research)の最新レポート「ソーラーフレア(Solar Flare)」によると、1位は、中国のLongi(隆基緑能科技)で、2位は農業や新エネルギーを主力事業とする中国の通威集団傘下のシリコン系太陽電池メーカーであるTongwei Solar(通威太陽能)だった。2019年はTongwei Solarが1位で、Longiが2位であったので、2020年には順位が入れ替わったことになる。3位は、中国JAソーラー(JA Solar)、4位は中国のアイコ・ソーラー・エナジー(Aiko Solar・愛旭太陽能科技)、そして5位はトリナ・ソーラー(Trina Solar)と、中国メーカーがトップ5を独占している。
ちなみに、トップ5といっても、2桁のシェアを持つのは1位のLongiだけで、他の全てのメーカーのシェアは1 桁台に留まっている。いかに僅差で接戦が繰り広げられているかがわかる。レポートによると上位5社の合計でも総出荷量の43%で半分に満たない。
中国メーカーに独占されている世界太陽電池ランキングにあって、一矢を報いたのが米ファースト・ソーラーだ。同社は、CdTe(カドテル)型化合物系太陽光パネルの供給では世界トップで、なんとか10位に食い込んだ(図1)。