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2020年の世界太陽電池市場、シェアトップ5社は?(page 2)

「単結晶」が独占的に、シリコンセルの米国内生産「ゼロ」に

2021/05/24 23:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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単結晶が多結晶を大きく上回る

 出荷量をセル(発電素子)のテクノロジー別に見てみよう。2019年時点で「単結晶シリコン型」の太陽電池の出荷量が初めて「多結晶シリコン型」を抜き、単結晶のシェアが62%まで伸びたが、2020年はさらにそれを上回って88%に達し、単結晶の独占的な状況になってきた(図2)。

図2●2020年における世界太陽電池出荷量のテクノロジー別シェア
図2●2020年における世界太陽電池出荷量のテクノロジー別シェア
(出所:SPV Market Research)
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 SPVマーケットリサーチの創立者であるチーフ・マーケットリサーチ・アナリストであるポーラ・ミンツ氏は、「2020年は単結晶が、全てのセルテクノロジーの中で独占的な地位を占め、さらに単結晶の中ではP型の裏面不動態型セル(PERC: Passivated Emitter and Rear Cell)が全体の75%を占めました。驚いたことは、2020年の総出荷量において、N型単結晶が多結晶を上回ったことです。太陽電池メーカーは、変換効率、出力、そしてマージンを向上させるためにN型にシフトしており、なかでもHJT、TOPCon、およびN型PERCを増やしています」と語った。

 ミンツ氏によると、多くの太陽電池メーカーは、2015年から単結晶シリコンを使ったPERCの生産能力を増やし始め、さらに2018年には、従来の多結晶メーカーも単結晶P型PERCへの移行を開始し、2019年にはP型PERCの本格的な生産が拡大し、出荷量も大きく増加した。

 図3を見ると、多結晶シリコンの出荷量は、2018年まで単結晶シリコンを上回っているものの、2017年から減少し始め、2020年には2010年代初めのレベルまで縮小しているのが分かる。それに比べ、単結晶の出荷量は2018年から右肩上がりで飛躍的に伸びている。

 2010年から2020年における年平均成長率(CAGR)を見てみると、多結晶がわずか1%に留まるの対して、単結晶は33%と大きく伸びている(図3)。

図3●テクノロジー別の世界太陽電池・年間出荷量の推移(青線:単結晶シリコン、赤線:多結晶シリコン、灰色線:薄膜)
図3●テクノロジー別の世界太陽電池・年間出荷量の推移(青線:単結晶シリコン、赤線:多結晶シリコン、灰色線:薄膜)
(出所:SPV Market Research)
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 ちなみに、結晶シリコン以外のテクノロジーである薄膜タイプは、年平均成長率10%となっており、2018年からじわじわと出荷量が増加している。薄膜のシェアは、2020年には総出荷量の5%を占めたが、その90%は、化合物系のカドテル(CdTe)型が占めた。

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