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2020年の世界太陽電池市場、シェアトップ5社は?(page 3)

「単結晶」が独占的に、シリコンセルの米国内生産「ゼロ」に

2021/05/24 23:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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サンパワーもセル工場を売却

 ファースト・ソーラーは、カドテル型により薄膜太陽電池では、世界的な存在になり、さらに米国のメーカーとして存在感を高めている。一方で、2020年の米国における結晶シリコン型太陽電池セルの生産は、ついに「ゼロ」に落ち込んでしまった。

 中国などからの安価な太陽電池製品の大量流入により、米国内で生産していた太陽電池メーカーは収益性が悪化し、次々と事業から撤退、または破綻に追い込まれた。国内製造業を保護するため、前トランプ政権は2018年1月、結晶シリコン太陽電池 (CSPV)の輸入製品に対して4 年間にわたり関税を課すことを決定し、実施した。

 関税の発表に伴い、複数の大手メーカーが米国内での生産拡大を表明した。関税によって促されたのは、主に、結晶シリコン太陽電池「モジュール(パネル)」の組み立てであった。唯一、結晶シリコン太陽電池「セル」の生産を発表したのは、米サンパワーだった。

 サンパワーは、独ソーラーワールドの子会社であるソーラーワールド・アメリカズを買収し、ソーラーワールド・アメリカズが持っている 西半球で当時最大規模の結晶シリコン太陽電池セルとパネル工場を運営し、米国で唯一の結晶シリコン型太陽電池セルの製造会社となるはずだった。しかし、生産まで至らず、サンパワーはこの工場を売却してしまった。

 「セルの生産にはコストがかかります。 米国は、セルメーカーを今後何年にもわたってサポートし、米国で製造されたセルを購入するインセンティブを提供する必要があります」。米国内でのセル生産が無くなってしまった以上、政府は関税ではなく、インセンティブを与えるべきというのがミンツ氏の主張だ。

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