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太陽光パネルで用水路を覆う「ソーラーカナル」構想、全長で13GW(page 3)

加州研究者が発表、温暖化対策のほか、節水、土地保護、大気質改善の効果も

2021/06/07 22:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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発電効率が3%向上

 実際、カリフォルニア州のこの運河ネットワークを太陽光パネルで覆うと全長でどれくらいの出力容量になるのだろうか?

 この研究によると、約13G Wに達するという。

 2018年にカリフォルニア州議会は、「ゼロエミッション電力目標を設定する上院法案100(SB100)」を可決した。「SB100」では、2030年までに電源構成の60%を太陽光発電など再生可能エネルギーからの供給に転換し、2045年までに電力供給の100%をゼロエミッション電源とすることを義務付けた。

 今年4月現在で同州に設置・稼働済みの発電事業用太陽光発電は14GWなので、「ソーラーカナル」の規模がいかに大きく、同州の再エネ目標の達成に大きく貢献することがわかる。

 ソーラーカナルの利点は、節水だけではない。水は陸地よりもゆっくりと加熱されるため、パネルの下を流れる運河の水によってパネルが 華氏で約10°F (摂氏約5.55℃)冷却され、太陽光発電の発電量が最大 3% 増加する可能性があるという。

 さらに、未開発の土地に建設するのではなく、既存の運河の上に細長く太陽光パネルを設置することで、8万 エーカー(約324km2)以上の農地や自然の生息地がメガソーラー(大規模太陽光発電所)に転用されるのを回避でき、カリフォルニアの水と土地資源の両方について持続可能に貢献できる。

 まだ利点はある。クリーンな空気。

 カリフォルニアは、米国の消費者が食べる果物、ナッツ、野菜の 50% 以上を生産している、農業大国でもある。しかし、多くの農場はディーゼル駆動の灌漑ポンプに依存いており、その結果、カリフォルニアの農業地帯でもある同州中部は、国内で最も大気質が悪く、温室効果ガスの排出と大気汚染が発生している。

 同州に渡る運河のネットワークに太陽光パネルを設置することにより、この温室効果ガスを排出するディーゼルの農業用ポンプを電動式などに置き換えることができるというわけだ。

 節水、クリーンエネルギー、土地保護、大気質の改善など利点が多い「ソーラーカネル」だが、気になるのはコストだ。

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