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太陽光パネルで用水路を覆う「ソーラーカナル」構想、全長で13GW(page 4)

加州研究者が発表、温暖化対策のほか、節水、土地保護、大気質改善の効果も

2021/06/07 22:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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インドでは導入例も

 実は、今回の論文の目的は、主要な運河システム全体での蒸発水の節約と財務上の利点を定量化することだった。 世界最大規模であるカリフォルニア州の運河ネットワークは、幅広い気候、日射量、および水の価格が考慮されなくてはならない。

 さらに、太陽光パネルを運河に沿った地上設置に加え、鋼トラス橋とサウペンション(吊り)・ケーブル橋構造の異なる技術で経済性のシミュレーションが行われ、正味現在価値(NPV)が比較された(図4)。

図4●異なる運河用の太陽光発電設置構造。aは 地上架台、bは 鋼トラス橋構造、cは サスペンション・ケーブル橋構造
(出所:論文より)
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 マッククイン博士は、「インドのグジャラート州で使用されているものと同様の鋼製トラスシステムを使用する場合は、コストが(3つの構造の中で)最も高くなります。 インドのパンジャブで使用されているものと同様の吊りケーブルを使用したケースでは、鋼トラス設計よりも(コストが) 40% 安価でしたが、従来の地上設置システムよりも依然として高価でした。しかし、システム双方の利点を財務分析に加えると、吊りケーブル設計が最高のNPVを示しました。 双方の利点には、運河のより涼しい環境による 太陽光パネルの効率向上、太陽光パネルによる日陰が水生雑草の成長を軽減、そして、日陰により蒸発が減少することによる節水が含まれます」と説明する。

 マッククイン博士がこう語るように、現在でもインドではこうした運河上への太陽光パネルが設置されている例がある。一方、カリフォルニア州ではまだ部分的にも「ソーラーカネル」の導入例はないという。

 ただ、同博士によると、「ソーラーカネル」プロジェクトに対しては、すでに州の高官や地方の水道局から関心が寄せられているという。

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