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米ファースト・ソーラーが「選択と集中」、モノづくり回帰へ(page 2)

O&Mとデベロッパー事業を売却、米国内のパネル年産能力6GWに拡大

2021/06/16 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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メガソーラー開発事業でも急成長

 1999年に創立されたファースト・ソーラーは、当時太陽光発電市場で主流だったもののコストの高かった結晶シリコン型に対抗して、カドミウムテルルを使った低コストの太陽光パネルを市場に投入した。当初、薄膜型パネルの技術は、結晶シリコン型より変換効率が低く、同じ出力を得る場合、薄膜型は結晶シリコン型よりも大きな設置面積が必要になった。このため、薄膜型は設置面積に限りのある住宅用を含む分散型発電には不向きだった。

 同社にチャンスとなったのは、小売電気事業者に再生可能エネルギーの導入を義務付ける「RPS:Renewable Energy Portfolio(再エネ・ポートフォリオ基準)」を規定する法律が成立したことであった(図2)。

図2●ファースト・ソーラーが開発したメガソーラー
(出所:First Solar)
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 この法律の導入で、小売電気事業者は大規模な再エネ発電所から長期間の電力購入契約(PPA)を結び電力を調達することになり、広大な土地と日射量に恵まれたカリフォルニア州を含む米南西部で、メガソーラーの需要が拡大した。

 低コストを武器に、ファースト・ソーラーは、2010年に電力事業用部門を創設し、RPS法を遵守するためのメガソーラー建設の市場で大きく成長していった。実際、当時同社のEPC事業の売り上げは、パネルの売上高を超えていた。

 米国研究所の 米ローレンス・バークレー国立研究所(LBNL)の分析によると、RPS制度は、2014年のおける米国の太陽光発電導入量の86%分を牽引したという。その比率は、2019年には32%と徐々に下がってきているが、企業、地方自治体、そして州政府の気候変動対策の1つである「脱カーボン」イニシアティブで、メガソーラーの需要は今後も根強いと言えるだろう。

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