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米ファースト・ソーラーが「選択と集中」、モノづくり回帰へ(page 3)

O&Mとデベロッパー事業を売却、米国内のパネル年産能力6GWに拡大

2021/06/16 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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コア以外は売却

 発電事業用のメガソーラー分野で頭角を現したファースト・ソーラーだが、2020年に「戦略的見直し」を発表した。「見直し」により、昨年6月に同社の世界最大規模である北米O&Mサービス事業をカナダのノバソース・パワーサービスに売却する最終合意に署名した。

 さらに、今年1月に入り、連系出力10GWのプロジェクトを含む米国における発電所プロジェクト開発事業を米デベロッパーであるリーワードに売却する正式契約を締結した。今年3月に北米O&Mサービス事業、そして4月に米国プロジェクト開発事業の売却が完了したばかりである。

 「私たちのコアは、テクノロジーとパネルの製造です」と強調する同社は、米国内での大規模な生産拡大に踏み入った。

 米アリゾナ州に本社を構える同社は、米オハイオ州、マレーシアのクリム、そしてベトナムのホーチミン市で工場を稼働させている。2020年時点での同社の全世界における年間生産能力は6.3GWだった。

 同社はオハイオ州のペリスバーグとレイク・タウンシップで2つの工場を運営しており、今回の投資はオハイオ州で3番目の工場となる。現在、州、地方のさまざまな許可および承認待ちとなっているが、2023年前半に稼働すると、新工場の生産能力は、年間3.3G Wと全米最大のパネル工場となる。オハイオ州の既存の2つの工場と合わせると、同社の米国内における生産能力は6GWまで拡大するという。

 パネルの変換効率を改善しつつ、生産性を高めてコストを削減する一方、パネルの経年劣化率の改善や生産時のカーボンフットプリント抑制(CO2排出削減)など、メーカーに求められる技術革新を徹底する。一時「コモディティー化」してしまった太陽電池開発の原点に戻り、モノづくり企業として新たな一歩を踏み出したように見える(図3)。

図3●ファースト・ソーラーが開発・販売するカドテルを使った太陽光パネル
(出所:First Solar)
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