2022/06/22 05:00
国内需要と供給に大きなギャップ
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、輸入エネルギーへの依存を下げ、国内のエネルギー生産を高めようという、いわゆる「エネルギー安全保障」の重要性が世界各国で再認識されている。同時に脱炭素を進めるため、太陽光発電を含めた再生可能エネルギーへの投資を拡大し、クリーンなエネルギーでの自立が求められている。
米国も例外ではなく、クリーンエネルギーの導入(需要)拡大とクリーンエネルギーの生産(供給)強化を促している。
しかし、現在、太陽光パネルについては、国内生産は国内需要に全く追いついていない。
太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社の米SPVマーケットリサーチ(SPV Market Research)が今年4月に発表した「太陽光発電生産能力、出荷、価格と収入」によると、2021年の全世界における太陽光パネル需要に占める米市場の割合は15%に達したにも関わらず、米国の太陽パネル出荷量の割合は、出力ベースで全世界のわずか1%に過ぎなかった。
ちなみに、2021年の出荷量のシェアを国別に見てみると、1位は、中国で全世界出荷量の68%を占めた。中国の68%と比べると米国のシェアは微々たるものだが、それでも、国別で見ると、米国は上位7位となっている(図1)。