特集

米エネルギー貯蔵市場、2024年までに4.5GW超(page 2)

老朽化した火力発電所の閉鎖を促し、新設を防ぐ

2019/06/27 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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「火力」から「貯蔵」に

 これまで電力会社のIRPには従来型の資源である石油、石炭、天然ガス、水力などが含まれていたが、ここ数年は、「蓄電池プラス太陽光発電」のペア、さらには、エネルギー貯蔵が「資源」として含まれるようになった。

 カリフォルニア州の中南部で電力小売事業を独占する米サザン・カリフォルニア・エジソン電力会社(Southern California Edison=SCE)は、エネルギー貯蔵を競争入札にかけ、今年4月に以下の6つのプロジェクトを落札した。総設置容量は181MWに達する(図2)。

図2●サザン・カリフォルニア・エジソン電力会社、2019年エネルギー貯蔵入札結果
(出所:SCE)
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 落札されたプロジェクトの一つであるストラス・ソーラーの100MWのエネルギー貯蔵プロジェクトは、北米で最大規模となる。同社は2018年にノースカロライナ州に設立され、住宅用太陽光発電システムの販売・施工を手始めに、商業用、発電事業用と太陽光発電設備の規模を大きくし、さらにはエネルギー貯蔵へと事業を拡大していった。現在、同社は3GWhを超えるエネルギー貯蔵プロジェクトを開発中である。

 今回、SCEの実施したエネルギー貯蔵プロジェクトに関する入札の背景には、2015年にカリフォルニア州ロサンジェルス付近で発生した天然ガス貯蔵施設(アリソキャニオンガス貯蔵施設)でのガス漏れ事件がある。この貯蔵施設は熱用とガス火力発電所用にガスを供給していたが、安全のために閉鎖されることなった。SCEは、需要ピーク時の電力供給用の天然ガスが不足になり、電力不足が懸念された。

 SCEは、電力不足を賄うために、需要ピーク時の電力供給用に262MWの天然ガス火力発電所の開発を検討したものの、最終的にその代替としてエネルギー貯蔵設備を選択した。

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