特集

地域新電力がグーグルに再エネ100%供給、時間単位で需給バランス

エネルギー貯蔵とスマート空調で需給一体制御

2022/07/25 23:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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米国版「地域新電力」

 日本で新電力が窮地に立たされる中、米国カリフォルニア州の地域新電力は、太陽光発電などのカーボンフリー電力を活用した新しいビジネスモデルを開拓している。

 先月、カリフォルニア州北部でコミュニティ・チョイス・アグリゲーション(CCA)を運営するシリコンバレー・クリーン・エネルギー(SVCE)は、グーグルと包括的なカーボンフリー電力の「24時間365日」供給契約を結んだと発表した。契約期間は10年である。

 ちなみに、CCAは日本でいう「地域新電力」、つまり自治体が設立に関与した小売電気事業者に似ている。CCAは、市や郡などの地方自治体が設立し、自ら発電所を開発、または発電事業者から電力を調達し、 既存の大手電力会社が所有する送配電網を利用して需要家に電力を供給する。カリフォルニア州では、電力小売りが全面自由化されておらず、3つの大手電力会社が電力の送配電と供給を地域独占しているが、2002年に成立した法律で、地方自治体がCCAを設立することにより、地域の需要家が電力調達先を選べるようになった。特にCCAは、既存の大手電力会社との差別化として、再生可能エネルギー由来の電力比率がより高いプランを提供し、その再エネも「地産地消」型で調達している。

 SVCEは2016年に設立され、その名の通りシリコンバレーが位置するサンタクララ郡をサービス管轄区域にしており、現在27万人を超える家庭および商業用電力需要家に、カーボンフリーな再エネ電力を供給する非営利のコミュニティ所有の機関である。

 シリコンバレーは、アップル、グーグル、メタ・プラットフォームズ(フェイスブックから社名変更)を含むIT企業の一大拠点として有名だ。

 現在SVCEの電気料金プランは2つあり、1つ目は、「グリーンスタート」を呼ばれるカーボンフリーの再エネ50%の電力、2つ目は、「グリーンプライム」と呼ばれるカーボンフリーな再エネ100%の電力で構成されている。「グリーンスタート」はほぼ半分が太陽光、風力などの再エネで、残りの半分はカーボンフリーの大規模水力発電からなっている。つまり、どちらの料金プランにも化石燃料は含まれていない。SVCEは、コミュニティ全体の脱炭素化を強く促進している。

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