特集

「太陽光の次は蓄電池」、州政府が相次いで普及政策を導入(page 4)

電力会社への「調達義務付け」や「補助金プログラム」など

2019/08/08 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
印刷用ページ

州レベルの推進策が続々

 カリフォルニア州を追い、他の州も電力会社へのエネルギー貯蔵調達を義務化している(図4)。

図4●州別のエネルギー貯蔵調達義務量
(出所:筆者作成)
クリックすると拡大した画像が開きます

 電力会社への調達義務付けに加え、カリフォルニア州はエネルギー貯蔵の補助金制度も提供している。それは、「セルフ・ジェン」または「SGIP(Self-Generation Incentive Program)」と呼ばれる自家発電設備の導入支援補助プログラムで、2000 年夏から2001年にかけて起きたカリフォルニアでの大停電を契機にスタートした。

 同州は、このプログラムを電力需要と温室効果ガス(GHG)の排出削減策として位置づけている。補助対象の自家発電設備には、天然ガスのコンバインドサイクル(複合)発電、風力発電、燃料電池などが含まれる。ちなみに太陽光発電もこのプログラムに含まれていたが、2007年に太陽光発電用の「California Solar Initiative (CSI)」と呼ばれるプログラムが新設されたのに合わせて、SGIPの補助対象から外れている。

 分散型エネルギーの貯蔵システムに関しては2008年からSGIP の補助対象になった。2016年にはエネルギー貯蔵の普及拡大を目指し、SGIPプログラムの総予算の79%はエネルギー貯蔵に当てられ、さらに2018年に、プログラムに対し、総額8億3000万米ドルの予算が追加され、大半の約7億米ドルは家庭・商業用のエネルギー貯蔵に当てられた。

 SGIPのプログラムは、需要の拡大に伴い補助金が段階的に下がるように設計されている。今年8月の時点で、既に2億1000万ドルの予算が、支払い済み、または予約済みとなっている。

 ニューヨーク州もエネルギー貯蔵の普及を促進するため、3億5000万ドルを補助金プログラムに投入している。

 その他に、マサチューセッツ州は太陽光発電への補助金プログラムにエネルギー貯蔵への補助金を付け加えたり、エネルギー貯蔵の導入をピーク電力削減用の「省エネ」プログラムとしても取り入れている。この省エネプログラムで同州は2019年から2021年の3年間に34MWのエネルギー貯蔵を消費者側に導入する計画である。

 さらに、ワシントン州、ニューハンプシャー州、オハイオ州、アリゾナ州などで、グリッドの近代化に向け、さらなるエネルギー貯蔵の導入を州政策に取り入れている。今後も州レベルでエネルギー貯蔵の導入政策が増加すると予想されている。

  • 記事ランキング