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ハワイ大手電力、住宅蓄電池の放電時間を指定、火力廃止へ(page 4)

「バッテリー・ボーナス」制度で太陽光併設型を推進

2021/08/16 18:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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真昼の太陽光を夕方に使う

 HECOが「バッテリー・ボーナス」に当てる予算は3400万ドルで、ハワイ州公益事業委員会(PUC:Public Utilities Commissions)で認定された合計50MW分の蓄電池に補助金が支払われる。申請は2023年6月20日まで、または50MWの上限に達するまで受け付けられる。

 早期購入・導入を促すため、最初の15MWに達するまで、補助金はkW当たり850米ドルで、次の15MW分には750ドル、そして最後の20MW分には500ドルが支給される(図4)。

図4●「バッテリー・ボーナス」の補助金額
図4●「バッテリー・ボーナス」の補助金額
(出所:筆者作成)
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 例えば、最初の15MW分が埋まる前に5kWを申請した場合、合計4250ドル(5kW x 850ドル)が支払われる。

 このプログラムで補助金が支給されるにあたって重要な条件は、毎日契約で決められた2時間、日中に太陽光発電で蓄電池に充電した電気のうち、決められた量を電力網に放電しなくてはならない、という点だ。その契約期間は10年。上記の例の5kWを申請した場合、1日2時間、10kWhを放電することになる。

 「私たち(オアフ島)のピーク需要は、全員が帰宅し、ワイキキが点灯し、すべての電化製品が稼働し、店舗が操業している午後5~9時までです。真昼の太陽光をいかにこのピーク時間帯にシフトできるかが課題です。 蓄電池などエネルギー貯蔵がそれを可能にします」とHECOのシニアスポークスマンであるピーター・ロゼッグは言う。

 HECOの電力需要ピークは夕方であることから、午後6~8時半の間の2時間を補助金申請者に指示できる。例えば、午後6時15分~8時15分の2時間を指定されたら、この申請者はこの2時間にこれから10年間蓄電池から電力を放電することになる。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)と大規模エネルギー貯蔵を活用することで再エネに転換しつつある米本土のカリフォルニア州とは違い、石炭火力の閉鎖を含む化石燃料依存からの脱退を、分散型の再エネと蓄電池を効果的に使うことで達成しようとするハワイ州の試みは、世界的にもユニークな取り組みといえそうだ。

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