現地レポート アメリカ太陽光発電の最前線

米国メガソーラーランキング・2020~2021年版

2021年のメガソーラー新規稼働は前年比1.6倍に拡大

2021/08/24 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト

2020年に10GWを超える

 米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)によると、今年5月末時点で、米国内で稼働している発電事業用のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の総出力は累積で50GWを超えている。ちなみに、ここでEIAの発電事業用発電所の定義は、連系出力・交流ベース(AC)で最低1MWの発電設備となっている。

 2020年の1年間で新規稼働したメガソーラーの数は564サイトに達し、連系出力ベースで合計10.4GWと10GWを超えた。そのうち、連系出力が100MWを超える案件だけでも28サイトとなった(図1)。

図1●2020年に稼働したメガソーラー(連系出力150 MW以上)
図1●2020年に稼働したメガソーラー(連系出力150 MW以上)
(出所:EIAのデータをもとに筆者作成)
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2020年の最大は300MW

 2020年に新規稼働したメガソーラーで最大規模は、連系出力300MW(太陽光パネル出力378MW) の「プロスペロ・ソーラー」で、テキサス州アンドリューズ郡に設置された。このサイトで発電した電力は、米フェイスブックとシェル・エネルギーの北米事業部の2社が、12年間のPPA(電力購入契約)を締結し購入する。

 このプロジェクトは、マサチューセッツ州ボストンに拠点を持つロングボードエネルギー(LongroadEnergy)によって開発された。太陽光パネルは、薄膜タイプのカドミウムテルル(CdTe)型化合物系太陽電池の製造・販売で世界トップのメーカーである米ファースト・ソーラーが供給した(図2)。

図2●2020年に新規稼働した最大級のメガソーラー。連系出力は300MW
図2●2020年に新規稼働した最大級のメガソーラー。連系出力は300MW
(出所:Swinerton Renewable Energy)
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 同じテキサス州で、現在同州で最大規模となっているメガソーラーに、大規模エネルギー貯蔵設備が併設されたサイトも稼働した。「ロードランナー・ソーラー・プラス・ストーレージ」と呼ばれるプロジェクトで、イタリアの電力大手であるエネル(Enel)傘下のエネル・グリーンパワー(Enel Green Power: EGP)が開発した。同社は、「連系出力400MW(パネル出力497.5MW)」と公表しているが、このプロジェクトは、2段階に分けて建設し、別々に系統連系されているため、EIAの公表データでは、連系出力200MWの2サイトということになっている。

 このメガソーラーは、120万枚の両面発電(バイフェイシャル)太陽光パネルを採用し、年間約1.2TWhの電力を発電する。さらに、出力57MWのエネルギー貯蔵設備が併設される予定で、2022年6月に着工することになっている(図3)。

図3●2020年に新規稼働した最大級のメガソーラー。連系出力は400MW
図3●2020年に新規稼働した最大級のメガソーラー。連系出力は400MW
(出所:Enel Green Power)
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テキサス州が加州を抜く

 ここまでに登場したプロジェクトの建設場所から容易に気付くように、メガソーラーの新規開発は主にテキサス州で進んでいる。

 2020年に新規稼働したメガソーラーの容量を州別に合計してみると、テキサス州は、これまでダントツで不動のトップだったカリフォルニア州を抜き、1位となっている。ちなみに、テキサス州のシェアは出力ベースで24%、次いで、カリフォルニア州、そしてフロリダ州が共に16%となっている。さらに、上位トップ5位までの州で全体の69%を占めた(図4)。

図4●米国の州別メガソーラー2020年導入量。出力ベースでのトップ5
図4●米国の州別メガソーラー2020年導入量。出力ベースでのトップ5
(出所:EIAのデータをもとに筆者作成)
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2021年に16.6GWが新規稼働

 さらに、2021年5月時点で計画されているメガソーラーに関するEIAのデータをみると、合計で約44.6GWに達している。そのうち12.7GWは2021年内に新規稼働する予定とされている。

 ちなみに、2021年1月~5月に新規稼働したメガソーラーは3.8GWで、2021年6月~12月の間に稼働する計画の案件を合わせると16.6GWに達し、計画通りに全てが稼働すると、2020年に新規稼働したメガソーラー容量の1.6倍になるわけだ(図5)。

図5●米国の年別メガソーラー導入量推移(2021年青色は5月までの稼働実績、赤色は2021年に稼働予定の案件)
図5●米国の年別メガソーラー導入量推移(2021年青色は5月までの稼働実績、赤色は2021年に稼働予定の案件)
(出所:EIAのデータをもとに筆者作成)
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 2021年に新規稼働したメガソーラーで最大規模となるのは、「タイゲテ・エネルギー」プロジェクトと呼ばれる連系出力255MWの案件である。開発したのは、米7Xエネルギー(7X Energy)で、同社は事業用メガソーラーの開発に特化している(図6)。

図6●2021年(1~5月末まで)に稼働したメガソーラー(連系出力100 MW以上)
図6●2021年(1~5月末まで)に稼働したメガソーラー(連系出力100 MW以上)
(出所:EIAのデータをもとに筆者作成)
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2021年の最大サイトは420MW

 EIAのデータで、2021年に新規に稼働する予定のメガソーラーで最大規模となるのは、洋上風力発電で世界最大手のデンマーク、オーステッド(Ørsted)が開発した連系出力420MWの「ペルミアン・ソーラー」プロジェクトで、連系出力40MWのエネルギー貯蔵設備が併設される。

 このプロジェクトは、オーステッドが米国で開発した最初のメガソーラーで、EIAのデータでは、「計画」の分野に入っていたが、8月時点で既に商業運転を開始しているという(図7)(図8)。

図7●2021年に新規稼働した最大級のメガソーラー。連系出力は420MW
図7●2021年に新規稼働した最大級のメガソーラー。連系出力は420MW
(出所:Ørsted)
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図8●2021年に稼働予定のメガソーラー(連系出力200MW以上)
図8●2021年に稼働予定のメガソーラー(連系出力200MW以上)
(出所:EIAのデータをもとに筆者作成)
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 2020年に続き、2021年中に稼働済みもしくは稼働予定のメガソーラーの容量を州別に合計すると、これも2020年に続き、テキサス州がナンバーワンとなっている。カリフォルニ州のシェアは出力ベースでテキサス州の半分以下の10%まで下がっている。2020年に続きフロリダ州が3位、そして、ネバダ州、ジョージ州が上位5位に名を連ねている(図9)。

図9●米国の州別メガソーラー2021年導入・計画量。出力ベースでのトップ5
図9●米国の州別メガソーラー2021年導入・計画量。出力ベースでのトップ5
(出所:EIAのデータをもとに筆者作成)
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