特集

米テスラがテキサスで電力小売りに参入、その戦略は?

蓄電池と太陽光設備との連携制御を模索か?

2021/09/15 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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 ベンチャーの旗手として名をはせる米テスラは、祖業である電気自動車(EV)を皮切りに、定置型蓄電池、太陽光パネル、EV充電スタンドの製造・販売など、手掛ける製品を増やしてきた。そして、さらに新たな分野にビジネスを展開しようとしている。

 同社の新しい子会社となる「テスラ・エネルギー・ベンチャーズ」は、今年8月中旬に米テキサス州の電気規制当局に、同州での小売電気事業の申請を提出した。

なぜテキサスなのか?

 テスラは、米カリフォルニア州フリーモント市でEVを生産しているが、テキサス州トラビス郡オースティン市近郊に、米国内でカリフォルニア州に次ぐ2つ目の自動車工場を建設している。この「ギガファクトリー」と呼ばれる工場で、北米用小型SUV「モデルY」、新型電動ピックアップトラック「サイバートラック」、さらにエネルギー貯蔵のセル(蓄電池素子)を生産する予定である(図1)。

図1●テキサス州で生産されるテスラ小型SUV「モデルY」
(出所:Tesla)
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 テスラと言えば、最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏がすぐに頭に浮かぶ。同氏は、夢想的な発言で世間を騒がしてきたが、実績が伴うにつれ、経営者としての評価も高まっている。実は、同氏は昨年末、自身の生活拠点をカリフォルニア州から第2の自動車工場のあるテキサス州に移した。さらに、同州は、テスラの新工場だけではなく、マスク氏が率いる宇宙開発ベンチャーの米スペースXの開発拠点でもある。

 つまりテキサス州は、テスラのトップにとって私生活・ビジネス共に新しい拠点なのだ。

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