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普及進む「需要家蓄電池」、550MWが太陽光と併設

住宅用市場は米テスラと韓国LG化学が2強

2021/09/24 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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累積で3.2GWの蓄電池

 米国エネルギー省(DOE)の研究所である米ローレンスバークレー国立研究所(Lawrence Berkeley National Laboratory: LBNL)が、今年7月に米国内における電力消費者側に設置された太陽光発電と蓄電池の併設(ソーラー・プラス・ストレージ)の動向に関するレポートを発表した。

 併設システムは、太陽光発電市場と同じように、住宅用、 非住宅用(商業・産業)、そして、発電事業用の3つに分類される。さらに、電力会社の視点から、システムが電力需要家側に設置される場合 「ビハインド・ザ・メーター(電力量計の後側)(BTM)」、そして、電力供給側に設置される場合 「フロント・オブ・ザ・メーター (電力量計の前側)(FTM)」との分け方もある。今回のレポートは、BTMに焦点がおかれ、住宅用と非住宅用のデータが分析された。

 同研究所が2020年末までに収集したデータによると、住宅用では5万件、そして非住宅用では1000件の太陽光発電と蓄電池の併設システムが確認できたという。ちなみに、これらの設置データは、全米の住宅・非住宅用共に90%をカバーしている。

 LBNLの電力市場・政策グループのリサーチサイエンティストで、このレポートの主な著者であるゲーレン・バーボース氏は、「ミッキーマウスのような形の図ですが、これは米国の蓄電池市場のスケールを表すためです」と、米国内の住宅・非住宅用、そして発電事業用の併設市場を説明した(図1)。

図1●2020年までにおける米国部門別蓄電池市場に対する太陽光発電併設サイズ
図1●2020年までにおける米国部門別蓄電池市場に対する太陽光発電併設サイズ
(注:黄色=住宅用、青色=非住宅用、灰色=発電事業用、外円=蓄電池市場サイズ、内円=併設市場、出所:LBNL)
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 「2020年までに累積で3200MW(3.2GW)の蓄電池が米国で設置されました。そのうち、30%の1000MW(1GW)は需要家側(BMT=電力量計の後側)に設置され、さらに、そのうちの550MWは太陽光発電との併設となっています。住宅用蓄電池の実に80%は併設になっています。対照的に、非住宅用の併設型は約40%に留まります。ほとんどの非住宅用は、おそらくデマンドチャージ管理のために、単設となっています。ちなみに、電力発電事業用/FTM(電力量計の前側)の蓄電池においては、19%しか太陽光発電と併設されていない」と語った。

 米国では主に非住宅用(商業ビルや工場など)の電力需要家には、「デマンドチャージ」という料金制度が従量料金にプラスされる。デマンドチャージは「最大kW需要電力」で、15分など決まった時間単位で計量された電力需要のうち月間で最も大きい値がその月の最大需要電力となる。蓄電池を組み合わせて、最大需要電力を減らし、デマンドチャージを抑制できる。

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