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米「メガ蓄電池」3年で10GW、太陽光併設が急増

「アービトラージ(裁定取引)」で事業性を拡大

2021/10/27 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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今後3年間で10GW

 米国でエネルギー貯蔵は、電力網の柔軟性とレジリエンスをより高めるという重要な役割を担っている。

 米エネルギー省(DOE)・エネルギー情報局(EIA)がデータを収集し、まとめた「年次発電機レポート」によると、2021~23年の3年間で合計10GWもの発電事業用大規模エネルギー貯蔵設備が導入され、稼働を開始する予定だ。これは2019年の1年間に導入された容量の10倍に達する規模という。さらに、計画予定のエネルギー貯蔵設備の大半が太陽光発電所に併設される予定となっている(図1)。

図1●大規模発電事業用エネルギー貯蔵の導入量推移(MW)
図1●大規模発電事業用エネルギー貯蔵の導入量推移(MW)
(注:2015~20年は実績、2021~23年は予測、濃い赤色=累積導入量、薄い赤色=年間新規導入量)(出所:DOE EIA)
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 2019年末現在で、米国では累積163基の大規模な発電事業用エネルギー貯蔵が稼働しており、これらの設備に貯められる最大電力容量は1688MWh、そして最大出力は1022MW(1.02GW)に達している。ちなみにEIAの「大規模」の定義は出力1MW以上のメガクラスの蓄電池となっている。さらに、発電所の規模は定格出力(kW)で示されるが、エネルギー貯蔵の場合、その規模は「出力」と「容量」の2つの単位で表される。「出力」は、kWやMWが単位となり、利用可能な瞬時の最大電力の値。一方、「容量」は、1回の充放電サイクルで、充電または放電できる最大の電力量で、kWhやMWhが単位となる。

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