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人気の「ソーラー放牧」、150MWサイトで羊1050頭の計画も(page 2)

機械除草から脱却で、O&MコストとCO2 削減

2020/11/05 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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「馬」から「羊」に転身

 「ソーラー・シープ」は元々ソーラー用のビジネスではなかった。さらに、ビッショプ氏は羊ではなく、馬のブリーダーであった。同氏が羊に関わり合うようになったのは、同氏のマンディという名の牧牛犬の一種であるオーストラリアン・キャトル・ドッグを牧羊犬にトレーニングするためにまず数頭の羊を購入したことがきっかけになった。

 その後、数頭の羊がさらに増え、同氏は馬のブリーダーから羊のブリーダーに転身した。 同氏が育てる羊の種類は米国で開発されたカターディン羊と呼ばれ、羊毛ではなく食肉(ラム)や繁殖用である。

 同氏が自宅の農場で羊を飼育し始めた頃、増える羊を育てるのに十分な牧草地を持っていなかった。ある日、車を運転していた時、草やクローバーがたくさん茂る15エーカー(約6ha)に及ぶソーラーファームが目についた。 「ここは、自分の羊にもってこいの場所。きっと誰かが草刈りにお金を払っているはず。私の羊だったら(除草を)より簡単にできる」と思い、その太陽光発電所の事業者に交渉に向かった。

 太陽光発電所の土地で羊を放牧することは、羊、太陽光発電事業者・開発者、そしてソーラー・シープ事業者にメリットのある「ウイン・ウイン・ウイン」の解決法をもたらすことになる。 ソーラー・シープ事業者は、太陽光発電所の敷地内で羊を放牧し、植物管理サービスを提供することにより、収入を得る。一方、太陽光発電事業者・開発者は、羊による「自然草刈り」を利用することでパネル間に繁茂する雑草を抑制でき、さらに、羊たちは、たくさんの草やクローバーに容易にありつけるというわけだ(図2)。

図2●「ここで羊勤務中。ゲートは閉めたまま」の注意看板が付けられたフェンス内で放牧される羊
(出所:Solar Sheep LLC)
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