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人気の「ソーラー放牧」、150MWサイトで羊1050頭の計画も(page 3)

機械除草から脱却で、O&MコストとCO2 削減

2020/11/05 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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3サイト・400頭を1人で管理

 その15エーカーの太陽光発電所が同社の最初のソーラー・グレージングとなり、そこからビジネスは成長していった。

 現在同社は、出力容量2.2 MW(15エーカー/6ha)、6 MW(25エーカー/約10ha)、そして6.1MW(26エーカー/10.5ha )の3つの太陽光発電所の敷地内で計約400頭の羊を放牧している。「単位面積当たりの頭数は、敷地内に成長する植生の種類や成長度、雨量、放牧方式、羊の(放牧の)自由度などによって変わりますが、一般的には1エーカー(約0.4ha) 当たり1頭から15頭の羊を3月から10月または12月の間に放牧しています。寒い時期(12月から2月)には、羊は(農場に)戻って、屋内で野外の天候に守られながら子供を生みます」と、ビッショプ氏は語った。ちなみに放牧の方式には、継続的か非継続的か、同じ場所での定放牧か、場所を定期的に変えるローテーション放牧か、などの違いがある。

 ビッショプ氏は何と、これらソーラー・グレージング事業を全て1人でこなしている。

除草コストが半減も

 米コーネル大学の「持続可能な未来のためのアトキンソン・センター」が資金を提供して2018年に行われたソーラー・グレージング研究によると、太陽光発電所で羊を放牧することは、敷地内の雑草などの植物を管理し、パネルの影を防ぐための費用対効果の高い手法であり、さらに従来の除草サービスよりも労働集約的ではないため、安価であるとしている。

 ニュージャージー州に拠点を持つ太陽光発電のデベロッパーであるKDCソーラーによって開発された「ローレンスビル・プロジェクト」として知られる6.1MWの太陽光発電所は、ソーラー・シープが現在サービスを提供しているサイトの1つである。 米名門私立進学校であるローレンスビル・スクールの電力需要のほぼ90%を賄えるこのプロジェクトに、KDCソーラーは以前除草に年間2万5000ドルを費やしていたが、現在は羊の放牧で除草コストは半分以下の年間1万ドルに減ったという。さらに、ソーラー・グレージングは、メンテナンスコストを削減するだけでなく、草刈り機から排出されるCO2も削減できる。

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