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米大規模太陽光のトレンド、「追尾型」のコストが大幅低下(page 3)

「薄膜系+追尾型」が「結晶系+追尾型」に迫る

2020/11/24 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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「薄膜+追尾式」が最も伸長

 ところで、ボリンガー研究員によると、2019年で最も規模の大きかった地上設置型太陽光発電は、テキサス州に導入された250MW-AC (315MW-DC) の発電所で、ファースト・ソーラーの化合物系薄膜太陽電池と追尾式架台の組み合わせを採用しているという。

 設置方式と太陽電池の組み合わせを見てみると、過去8年間(2011~2018年)、「結晶シリコン系+追尾式」が最も多く、2019年の導入量は2.36GWで、全体の52%を占めた。次に、「薄膜系+追尾式」が1.68GW-AC と続き、 「結晶シリコン系+固定式」が0.5GW-AC、 そして「薄膜系+固定式」が40MW-ACとなっている。

 累積導入量で見てみると「結晶シリコン系+追尾式」が全体の52%を占めた。ここで1つ注目したいのは、「薄膜系+追尾式」は前年比79%増と、4つのセグメントで最も高い成長率を示したことだ(図4)。

図4●米国における地上設置型太陽光発電設備の架台・モジュールタイプ別・年間導入容量シェア推移
(出所:Lawrence Berkeley National Laboratory)
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 LBNLによると、2014年以前に薄膜系は固定・傾斜式のみに取り付けられていた。薄膜系は 、結晶シリコン系に比べて設置面積当たりの変換効率が低く、同じ出力を確保するにはより広い土地面積を必要としたため、歴史的にみて追尾式には採用されていなかった。しかし、近年米ファースト・ソーラーがCdTe(カドミウム・テルル)型化合物系薄膜太陽電池の変換効率を大幅に改善したことから、同社の太陽光パネルは、100%追尾式に使用されているという。

 ファースト・ソーラーといえば、昨年オハイオ州の北西部に2つ目の工場を新設し、生産を開始した。この新工場によって同社の米国における総生産規模は1.9GWになり、米国で最大規模の太陽光パネルメーカーとなった。

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