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米大規模太陽光のトレンド、「追尾型」のコストが大幅低下(page 4)

「薄膜系+追尾型」が「結晶系+追尾型」に迫る

2020/11/24 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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追尾式と固定式のコスト差「ほぼ無し」

 LBNLが収集したデータによると、地上設置型太陽光発電設備の導入価格は、年々低下しており、2019年の中央値は1W-AC当たり1.44ドル、1W-DC(パネル出力・直流ベース)当たり1.15ドルで、2010年から約70%以上、そして2018年からは20%も下がった。

 ちなみに、データを小さい順に並べた時の中央の値が「中央値」で、最小値から数えて20%に位置する値が「20パーセンタイル」そして、80%に位置する値が「80パーセンタイル」となる。

 中央値に対して、20パーセンタイルに属する値は、1W -AC当たり1.3ドル、1W-DC当たり0.92ドル、また、80パーセンタイルに属する値は、1W-AC当たり2.46ドル、1W-DC当たり1.98ドルとなっている(図5)。

図5●米国にける地上設置型太陽光発電設備の架台タイプ別・導入価格(中央値)推移
(出所:Lawrence Berkeley National Laboratory)
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 架台タイプ別にみると、2016年まで追尾式設備は平均的な固定・傾斜式設備よりプレミアムが付いていた。しかし、2017年以降この歴史的な関係は逆転し、2018年の平均的な固定・傾斜式設備の価格は、1.7ドル/W-AC(1.3ドル/W-DC)となり、追尾式設備の1.6ドル/W-AC(1.2ドル/W-DC)を下回った。

 同レポートの筆者であるマーク・ボリンガー研究員によると、「一般的に、追尾式に関連する価格プレミアムは、技術の向上と激しい競争により、大幅に減少している。(追尾式と固定・傾斜式の価格の)ギャップは小さくなり、容易に追尾式を選択できるようになっている。追尾式の初期投資コストが少し高くなったとしても、発電量がより増えるので、(初期投資の差を)補うのに十分で、さらに収益性が高まる」と、語った。

 つまり、追尾式がもたらす発電量と売電収入の増加効果により、近年追尾式の導入が急増し、さらにこのトレンドは続くものと予想されている。

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