アンチダンピング措置を回避
CSUNは以前、中国と台湾製の太陽電池セルと太陽光パネルに対する米国のアンチダンピング(AD)措置を回避するために、中国を拠点とする工場から生産設備を移転し、韓国とベトナムに太陽電池セルの生産工場とOEM(相手先ブランド名での受託製造)による太陽光パネルの組立事業を設立した。米現地子会社のサンナジーカリフォルニアによるパネル組み立てには、韓国、そしてベトナムからの太陽電池セルが使用されていたと言われている。
2017年、CSUNは年産規模400MWの太陽光パネル工場をサクラメントに新設した。しかし、生産開始は1年遅れて、徐々に新工場で生産されるパネルの注文受付を開始した。当時、サンナジーカリフォルニアの運営する、この新工場では200人の雇用が創出されることになっていた。ちなみに、サクラメントはカリフォルニア州の首都であり、サンフランシスコの北東約136kmに位置している。
生産開始後、一時は、サクラメント工場の年産規模を600MWにまで増産するとの噂が出たが、サンナジーカリフォルニアは、2021年1月に自主的な破産再編を申請した。
カリフォルニア東部地区の米国破産裁判所に提出された破綻申請書によると、サンナジーカリフォルニアの推定資産は、1000万米ドル、負債は、1720万米ドルを上回っていた。さらに、資産の中には、240万ドルの原材料と240万ドルの完成品と仕掛品が含まれていた。
具体的に、オークションに出された完成品である太陽光パネルは合計5000枚。内訳は、390W品が3200枚、375W品が400枚、365W品が300枚、そして330W品が640枚となっている。さらに、21万枚以上の単・多結晶を合わせたセルも入っていた(図2)。