長周期エネルギー貯蔵だけで45~55GW
一方、米ストラテジェン・コンサルティング(Strategen Consulting)がまとめた「カリフォルニア州におけるクリーンで信頼性の高いグリッドのための長周期エネルギー貯蔵」と題する市場分析レポートでは、長周期エネルギー貯蔵の必要性をさらに強調している。
同レポートでは、2045年までに、長周期エネルギー貯蔵はカリフォルニア州のグリッド上の主要な需給バランス調整手段となり、統合的なエネルギー資源になると予測している。
同州における再エネの利用可能性を評価したデータによると、カリフォルニア州では総需要の75%近くに匹敵する電力が太陽光発電から供給されるという。エネルギー貯蔵は、太陽光発電とグリットを「バランス」させるのに欠かせないという。
大量の電力が太陽光発電から供給される場合、日中に発電された電力を1日当たり8〜12時間貯めておける貯蔵設備が必要になる。夕方以降、日が沈んで太陽光パネルの発電量が急減するにつれ、蓄電池の放電量を一気に増やし、夜間に、多い時には連続して12時間、その間の電力需要の大部分を供給する必要がある(図3)。
ストラテジェン・コンサルティングの分析によると、カリフォルニア州では長周期エネルギー貯蔵の必要性が極めて高くなるという。そのため、同州においては、2030年までに長周期エネルギー貯蔵だけで累計で2〜11 GWの設備が必要という。さらに、2045年までにゼロエミッション電源100%を達成するためには、累計で45〜55GWもの長周期エネルギー貯蔵の導入が必要になると予測している。