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太陽光「過剰設備」と「出力抑制」で発電コスト削減!?(page 4)

「暗黙のストレージ」で、蓄電池の容量を減らす

2020/12/28 05:00
Junko Movellan=ジャーナリスト
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「太陽光のみ」では大規模な貯蔵が必要

 まず、最初のシナリオの前提は、2025年にテクノロジーの発展は低く、再エネ100%を太陽光発電のみで達成するケース。100%を満たすためには、出力66GWの太陽光発電が導入される。

 当たり前だが、日没後に発電しない太陽光のみで100%の電力を賄うためには、電力貯蔵が必須となる。夏季の7月第4週目のある1日を例にとって見てみると、日中の余剰を蓄えるために出力41GW、そして夕方以降に放電するためには出力17GWの電力貯蔵が必要となる。

 ペレズ氏によると、この規模で充電できるストレージは水力発電になるという。その週の電力供給の日内変動を緩和するためには、4時間分(容量230GWh)の電力貯蔵設備が必要になるという(図3)。

図3●100%太陽光で需要に賄うケースにおける電力貯蔵の週を通じた充放電サイクル
(注:緑色=充電、オレンジ色=放電、単位・GW)(出所:Clean Power Research)
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 太陽光発電は日内変動よりも大きな問題がある。それは季節的なインバランス(需給の不一致)だ。ペレズ氏によると、この季節的インバランスを緩和するためには、なんと205時間(容量13.5TWh)分の電力貯蔵設備が必要になるという。

 この大容量の電力貯蔵の必要性により、このシナリオのLCOEは、「177セント/kWh」と大変に高コストとなっている。ただ、このシナリオでは全ての発電量を電力貯蔵に充電するので、出力抑制率は「0%」である(図4)。

図4●100%太陽光で需要に賄うケースにおける電力貯蔵の1年を通じた充放電サイクル(GWh)
(出所:Clean Power Research)
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