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発光でカラスに対抗、「包括委託」の草刈りが奏功、岡山の山あいの太陽光(page 3)

牛舎に集まるカラスが26枚のパネルを割る

2019/06/21 05:00
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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試用期間を終えたら、また割れる

 「ビー・ビー・フラッシュ」は、架台の隅、アレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)の高所部に取り付ける。上空に向けて光を発するLEDライトを備えている。元々、電柱での活用を想定して開発された、カラスの営巣防止装置である。

 日中、定期的にさまざまなパターンのフラッシュ光を、カラスが嫌がるようにアレイ上空に向けて、ランダムに発する(図4)。この機器は、太陽電池を備えており、専用の外部電源は要らない。小型・軽量で、比較的容易に取り付けられる。

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図4●架台の隅に取り付け、さまざまなパターンで上空に発光
(出所:日経BP)

 このメガソーラーでは、2017年5月から10月にかけて、メーカーから機器を無償で借りる機会があり、まず効果を試めすために、5台を設置した。

 機器を取り付けた後、石落としで割れる枚数は、若干、減った印象を受けたが、その時点では、購入を決めるほどの明らかな予防効果は実感できなかったという。結局、無償の試用期間を終えた後、機器を架台から取り外して返却した。

 すると、太陽光パネルが割れることが、再び増えてきた。ここに至り、機器の効果をようやく実感することになり、購入を決めた。

 試用期間中の5台の2倍となる、10台を購入した。2018年6月に設置すると、太陽光パネルが割れるペースが、年に1枚程度に下がった。

 「ビー・ビー・フラッシュ」によるフラッシュ光は、カラスにとって、スズメバチのように見えるように工夫したものとなっている。カラスが、強い瞬発性の光や、スズメバチの動きのようにランダムに変化する光を苦手とする性質を利用する。

 タイミングや強弱を変えながら光を発することで、カラスが警戒し続け、慣れないように工夫している。日射量によっても、発光が変わる。付属の太陽電池の出力変化によってキャパシタ内の蓄電量が変わることで、光量が変化する。

 ランダムな発光を支えるLEDは、第1世代品の1個から、第2世代品では2個、第3世代品では4個に増やし、カラスがより慣れにくく、効果の高い発光になった。このメガソーラーで試用したのは第2世代品、その後、購入したのは第3世代品である。

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