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予防保全を徹底、理想は「変動要因は気象のみ」、オリックスのO&M子会社(page 2)

洗浄を年1回、パワコンの基幹部品まで備蓄

2020/11/25 07:00
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 これに対して、OREMが志向するのは、「長期間の運営において、事業性を最大に高めるためのO&Mを包括的に提供すること」にある(図2)。

図2●アセットマネジメントにも関わり、O&Mを一任してもらう
(出所:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント)
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 KPI(重要業績評価指標)の達成を条件に、発電所ごとにサービスの提供内容や修繕計画などまで一任してもらい、自社の判断で実行するO&Mに取り組んでいる。発電事業者との信頼関係なしには実現できない仕組みで、オリックスグループならではの利点が生きている。

 特に「予防保全」を重視している。O&Mの費用としては短期的に高く感じる額になるが、売電ロスの要因を解消することで、発電事業者にとっては、売電額の増加分(なりゆき運用時と比較した売電収入改善効果)の中から十分に賄える範囲になり、長期的に事業性が向上するイメージだ。

 設立から2年の現状で、現在受託しているオリックスの合計約450MWの発電所に関して、受託してから5年以内に売電額の増加分によって同社によるサービス費用が相殺されて実質ゼロになる見通しが立っているという(図3)。

図3●売電収入の改善分でO&Mコストを相殺できる
(出所:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント)
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 具体的には、2018年のOREM設立時に受託した際、それ以前のO&Mコストは発電所全体で実質的に約3300円/kWだった。これを同社が受託して、独自の判断による予防保全や修繕などのO&Mサービスを実施していくことで、設備の不良などに関する突発的なトラブルや予期せぬ対応などが減っていった。

 同社が提供する包括的なサービスでは、サービス開始当初は費用が相対的に高く感じるかもしれないが、単発のサービスに頼ると単価が高くなる想定外の対応などが減る傾向にあるので、2024年にO&Mコストは約2300円/kWまで下がる見込みという。同社によるサービス開始前に比べて約1000円/kW下がることになる。

 加えて、売電ロスの要因を解消することによる売電額の増加効果が大きいので、増加分でO&Mコストを相殺した後、おつりがくるようになる。発電事業者にとっては、売電額が増えるだけでなく、その増えた分でO&Mコストを賄えるようになるという、持ち出しが実質ゼロでサービスが受けられるとしている。

 O&M費用を相殺した後、売電額の増加効果分は、そのまま増益につながることになる。

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