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自動分析で「季節性のトラブル」も発見、対策の費用対効果まで提示(page 2)

オリックスの予防保全型O&Mサービスを支える

2021/06/11 18:08
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 発電所内のより詳しい状況は、太陽光パネルのレイアウト画面から把握できる(図2)。異常のある場所については、あらかじめ警報が送信されている上に、この画面で目立つ色で表示されるので、すぐにわかる。検討の場でも、現地での作業でも、探す手間が要らないという。

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図2●発電所内の異常の位置と状況がひと目でわかる
上から2枚目は、ストリングごとの電流の状況。3枚目は、特定のPCSの出力の状況と、原因別に色分けされたロスの状況。4枚目も、特定のPCSの入出力の電流と電圧の状況(出所:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント)
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 発電量の増減に関連する要因に関しては、その影響度を、要因別に示せるので、例えば、太陽光パネルを洗浄した後の効果を、似たような気象状況の日のデータと比べて、改善効果を把握しやすくするといった使い方もできる。

 こうした分析は、人海戦術的な手法で算出できるが、自動化していることで、手間と時間、コストに大きな違いが生じている。

 その先の「異常や故障、その予兆への対応と、その費用対効果の表示については、他社で実現できている例はないのではないか」としている。

 売電ロスの要因を15種類に分けて、損失額への影響を把握する。そして、一定のしきい値を設定した上で、その要因を解消する対策が、そのしきい値に対して経済的に見合うか、見合わないかを選別する(図3)。これも自動で分析・表示される。

図3●自動分析によって異常とそれによる売電ロス、修復に要する費用などが表示
中央が金額の表示。左上が「現在の売電額」。その右下が「一定のしきい値に対して、経済的に見合う対策によって回復する売電ロス額」で、その右上が「その対策を講じた後に想定される売電額」。その左下は、修復できないことはないが「一定のしきい値に対して、経済的に見合わない対策」によって回復できる売電ロス額。その右上が、この措置を講じた後に想定される売電額。下の横棒のグラフは、この売電ロスの要因を15種類に分類し、必要な対策の経済性とともに表示したもの(出所:オリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント)
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 そして、「現在の売電額」と、「一定のしきい値に対して、経済的に見合う対策によって回復する売電ロス額」や「その対策を講じた後に想定される売電額」を表示する。

 修復できないことはないが、「一定のしきい値に対して、経済的に見合わない対策」になる場合がある。これについても、その対策によって回復する売電ロス額、その対策を講じた後に想定される売電額を表示できる。

 当然ながら、「しきい値」を変えると評価が変わる。洗浄の効果などは、このようにしきい値を変えながら検討することがある。洗浄に要する費用の回収期間の設定や、売電収入を年間100万円ロスしている要因となっているならば、80万円以内で可能な洗浄作業に絞るといった検討となる。

 樹木による影が売電ロスを招いているならば、この売電ロスが年間40万円で、木を切るコストが100万円だった場合、約2.4年で回収できるといった具合である。

 この機能によって、対策ごとの費用対効果を把握できるだけでなく、現地のO&M担当者にとっては、優先的に取り組む内容を効率的に絞り込める効果も大きい。

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