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<第70回>太陽光発電コンサル会社で起きた電子契約に関する紛争の判例解説

2021/01/07 23:30
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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太陽光発電事業からの撤退

 原告は、2014年10月ないし11月頃、事業環境の変動から太陽光発電事業の拡大を取りやめ、太陽光発電事業としては原告が保有する4個の太陽光発電施設(以下「本件施設」)への投資のみを行うことを決定しました。

 そこで、被告太陽光コンサル会社は、太陽光発電事業とは別の事業として、フィリピンにおける商業施設及び住宅の工事の請負業者から太陽光パネルの仕入れ及び納入を受注し(以下「フィリピン案件」)、同年12月15日、原告の稟議決裁を受けずに上記請負業者に納入するための太陽光パネルを代金3億2323万9610円で発注しました。しかし、フィリピン案件は、仕入れた太陽光パネルの輸送中に上記請負業者から契約を解約されたため、同太陽光パネルを在庫として抱えることとなり、失敗に終わりました。

信頼関係が喪失

 原告及び被告太陽光コンサル会社は、上記フィリピン案件の経緯から、相手方に対する信頼を低下させ、2015年6月ないし7月頃、両者間の関係を解消することになりました。

 そこで、被告太陽光コンサル会社が仲介して原告が本件施設を売却し、その代金をもって原告が被告太陽光コンサル会社による太陽光発電事業に投じてきた資金を回収することとなり、原告及び被告Y1は、本件清算について合意しました。

 投資資金の回収については、準消費貸借契約を締結することとなりました(以下「本件準消費貸借契約」)。

 原告の従業員は、2015年7月29日、原告法務部に対し、被告太陽光コンサル会社の実印を本件準消費貸借契約書及び本件コンサルティング契約書などに用いることの許可を求める捺印申請書(以下「本件捺印申請書」)を提出しました。

 被告Y1は、本件捺印申請書の「決裁者(必須)」の決裁印欄に自身の認印を押印しました。

 そして、本件清算合意に基づき、原告のもとで本件準消費貸借契約書及び本件コンサルティング契約書が作成され、被告Y1は、本件準消費貸借契約書の連帯保証人欄に署名押印しました。

署名捺印のイメージ
(本文の事例とは関係ありません)
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