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太陽光の運営会社が経営危機!「FIT事業の価値」をどう生かすべきですか?

<第59回>太陽光発電施設の譲渡が破産管財人から否認された裁判例の解説

2020/01/17 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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太陽光運営会社が倒産

 前回、このコラムで掲載した「法律相談の傾向と2020年のポイント」でも触れましたが、今後、太陽光発電施設の運営会社の倒産が増加する可能性があります。そうしたなか、固定価格買取制度(FIT)による売電事業の持つ経済的価値が、適切に評価され、債権者の資金回収や倒産企業の再建に最大限に生かされるべきです。

 こうした視点から、参考になる判例が昨年12月に公表されましたので、今回は、このケースについて取り上げたいと思います。

 これは、FIT売電の前提となる「電力会社との受給契約上の地位」を、倒産した企業が倒産直前に譲渡した行為について、破産管財人からの否認請求(譲渡が有効でないことの認定請求)が認められたことに対し、「受給契約上の地位」を譲り受けた者(原告)が、この否認請求の棄却を求めた裁判です。

 東京地方裁判所は、破産管財人の否認請求を認め、否認請求の棄却を求める原告の訴えを退ける判決を言い渡しました(東京地裁平成30年12月11日否認請求認容決定に対する異議事件判決)。つまり、倒産直前におけるFIT売電事業の譲渡を認めませんでした。

 以下では、この東京地裁判決に対する解説と共に、太陽光発電の運営会社が危機的状況に陥った際に取るべき対応策について述べたいと思います。

太陽光関連業者の倒産件数と負債額の推移
(出所:帝国データバンク)
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