特集

太陽光パネルの廃棄に際し、発電事業者の法的責任は?

<第84回>再エネ特措法・廃棄物処理法上の義務の解説

2022/04/26 01:00
匠総合法律事務所 弁護士・秋野卓生、弁護士・土屋秀晃 
印刷用ページ

パネル廃棄を巡りトラブルの可能性

 2012年7月に固定価格買取制度(FIT制度)が開始してから今年で10年となり、制度初期に導入された太陽光パネルの大半が、2030年から2040年頃に一斉に耐用年数を迎え、大量に廃棄されることが予測されます。事業計画の策定時点では、参入を検討する消費者・投資家に対し、使用済み太陽光パネルに関する廃棄の方法・費用等につき十分な説明がなされない場合があり、費用負担が現実化した段階で、設備の購入者・発注者等とトラブルになる可能性があります。また、適正な廃棄が行われず、発電設備の放棄・不法投棄が多発してしまうことは、SDGs(持続可能な開発)の趣旨に反し、近隣における太陽光発電のイメージの悪化にもつながります。

太陽光パネルの排出見込量(寿命25 年の場合)
太陽光パネルの排出見込量(寿命25 年の場合)
(出所:環境省)
クリックすると拡大した画像が開きます

 太陽光パネルの適正な廃棄処理については、経済産業省下の資源エネルギー庁が所管する再エネ特措法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)と、環境省が所管する廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)の2つの法令・ガイドライン等が主に参照されますが、2つの法令は適用場面・目的等が異なり、必ずしも正確に整理されていないと思われます。そこで、本稿では、太陽光パネルの廃棄に関する2つの法令の適用場面・目的について解説し、廃棄処理に関する電気事業者の法的義務について取り上げることとします。

2030年以降廃棄パネルの急増が予想される。写真は被災による損傷で廃棄されるパネル
2030年以降廃棄パネルの急増が予想される。写真は被災による損傷で廃棄されるパネル
(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング