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改正FITへの移行時に出力を間違って記入してしまいました…(page 4)

<第62回>みなし申請の際の記載ミスが判明した場合の法的責任

2020/04/30 10:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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誤記の法的性質

 例えば、戸籍に誤りがあることがわかり、これを訂正して欲しいと思う場合、役場で誤りを指摘して、もしそれが役場側のミスだった場合、市区町村長は法務局に訂正の許可を求め、その許可をもとに戸籍の内容を正します。誤りがごく軽微なものの場合は市区町村長の職権で訂正できます。

 これに対し、誤りの原因が役場側ではなく届出人または第三者によるものである場合、本人や親族など法律で定めた者が家庭裁判所に戸籍訂正の審判を求めます。戸籍訂正許可が下りたなら、許可が下りてから1カ月以内に審判書と届出書を役場に提出して、戸籍を訂正してもらいます。

 上記の手続きは、「訂正」であり、「変更」ではありません。

 また、民法95条に規定されている錯誤とは、表意者が無意識的に意思表示を誤り、その表示に対応する意思が欠けていることをいいます。

 勘違いをして太陽光パネルの合計出力の誤記をした場合、錯誤に該当するケースもあるでしょう。この場合には、民法95条に基づき、意思表示を取り消すことが可能です。

 私は、現状の「変更」の手続きしか存在しない点は、誤記の救済手段として不十分であると考えており、「訂正」の手続きが設けられるべきではないかと考えています(勿論、未稼働案件のごまかし手段としての訂正は認められません)。

誤記を「変更」せずに放置した場合

 認定事業者が認定計画に従って再生可能エネルギー発電事業を実施していないと認めるときは、経済産業大臣が改善命令を出すことができるようになります(改正法13条)。

 さらに、認定事業者が認定計画に従って再生可能エネルギー発電事業を行っていないとき、認定計画が改正法9条3項1号から4号までのいずれかに適合しなくなったとき、認定事業者が改善命令に違反した場合には、経済産業大臣は認定取消を行うことができます(改正法15条)。

 この認定取消の手続きに入った時に、認定事業者側は、太陽光パネルの合計出力の誤記であり悪気はない旨の主張をすることになろうかと思うのですが、その際に「情状酌量の余地」があるのかどうか、現段階では明白ではありません。

 しかし、発電設備の出力以上の売電をしているわけではないのですから、経済的損失を与えているわけではありません。私は、認定取消の手続きにおいてヒューマンンエラーである誤記をしていたにすぎない案件において、「認定取消」にするのは、ペナルティーとして重すぎると考えています。

ヒューマンエラーには柔軟な対応を

 現状の手続きは、電子申請という画一的な対応をする手続きにおいて効率的であると考えますが、ヒューマンエラーへの対応は、個別事情に即した柔軟な対応があっても良いのではないか、と考えます。

 上記誤記により、手続代行者が、みなし申請時のミスを債務不履行責任として追及され、変更後の売電価格との差額の賠償責任を負うとされるのは、あまりに手続代行者が可哀想だと思っており、手続き面の柔軟さでカバーして頂きたいと思います。

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