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メガソーラー建設巡り施主と施工者が紛争、発電事業の譲渡が無効に(page 2)

<第74回>メガソーラー売却を「通謀虚偽表示」により無効とした最新判例

2021/05/11 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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メガソーラー事業者にとって不利な調停

 破産したメガソーラー事業者はまず、2014年3月6日、施工会社に対し、本件請負契約に関する工事につき、施工会社の責めに帰すべき事由により工期内に完成させ、引渡しをすることができなかったと主張して、違約金の支払を求める訴えを東京地方裁判所に提起しました。

 また、破産会社は、同年7月30日、施工会社に対し、主位的に本件請負契約に係る工事が完成していないことを前提として仕事の完成を求め、予備的に上記工事が一応完成していることを前提に瑕疵修補に代わる損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に提起しました。これに対し、施工会社は、破産会社に対し、本件請負契約に基づく請負代金の支払を求める反訴を東京地方裁判所に提起し、以上の事件は併合審理されました。

 この事件について、東京地方裁判所は、調停に付した上で、2016年12月6日、破産会社が本件高圧設備の引渡しを受けるのと引き換えに、2017年12月31日限り本件請負契約の請負代金6億7791万2865円を支払う旨の調停に代わる決定をした(以下「本件調停に代わる決定」)。同決定は、2016年12月20日の経過により確定しました。

東京地方裁判所の正門
東京地方裁判所の正門
(出所:日経BP)
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 破産会社は、本件請負契約に係る紛争により、太陽光発電設備を稼働して発電収入を得ることができず、資金繰りが困難となったことから、地主に対する地上権の地代の支払を滞納することになりました。

 破産会社代表者Dは、2015年8月、地主の代表取締役であるEに対し、施工会社との紛争が解決するまでの間、地代の支払を猶予して欲しい旨を依頼したところ、Eは、滞納地代について、地主の破産会社に対する貸付金に振り替え、施工会社との紛争解決後に一括して支払うという扱いにすることを了承しました。

 地主は、破産会社と施工会社との間の紛争の解決にも積極的に協力する姿勢であったことから、Dは、地主に対し、施工会社に譲歩を迫って早期の和解による解決をするために、本件地上権を消滅したことにして、地主から施工会社に対し本件高圧設備の撤去を要求することによって圧力をかけることを依頼し、破産会社と地主は、本件地上権が消滅したことを仮装するとの合意をしました。

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