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「メガソーラー裁判」の論考、景観条例を巡り攻防も(page 5)

<第64回>静岡地裁・伊豆高原メガソーラーに関する判決の解説

2020/06/26 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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宅造法の「条件の遵守」は?

 これに関連して、宅地造成等規制法8条3項の条件の遵守は求められないのか、という論点があります。

 伊東市は、本件経過措置に定める「事業の着手」とは、事業区域において、必要な法的手続等を行った上で太陽光パネルの設置や太陽光発電設備を設置するために行う樹木の伐採、土地の造成等による区画形質の変更を行う事業を指すところ、原告が平成30年5月31日に行った宅地造成等規制法上の許可に基づく地質変更工事は、当該許可に付された条件に違反しているのであって、必要な法的手続等を行った上で実施したものではないと主張しました。

 これに対して判決は、「被告が指摘する『必要な法的手続等』の内容は明確とはいい難い上、所要の許認可を得ることに加え、内容を問わず当該許認可に付された条件についてまで違反しないことを指すというような限定的な解釈は当然には肯定し難い」と判示しています。

 要するに、本件規制条例の施行の際、「現に太陽光発電設備設置事業に着手している者」については、同条例11条1項の規定は適用されないという条例附則2条の記述からは、許認可に付された条件に違反している場合には、「現に太陽光発電設備設置事業に着手している者」にはあたらないと解釈する理由がないと判示しているのです。

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