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「メガソーラー裁判」を読み解く、市による「不許可」の有効性は?

<第64回>静岡地裁・伊豆高原メガソーラーに関する判決の解説(その2)

2020/07/10 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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 今年5月22日、静岡地裁は、静岡県伊東市で建設中の「伊豆高原メガソーラーパーク発電所」(連系出力40MW)に関わる訴訟に関して判断を下しました。同判決(静岡地裁令和2年5月22日判決)は、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設を巡り、事業地内の川に橋を架けることを市が不許可としたことについて、処分の取り消しを言い渡しました。

 この訴訟で裁判所が示した判断は、メガソーラーに関する最新の判決であり、メガソーラー建設にあたり、知っておかなければならない法律知識が多く含まれています。前回に引き続き、この判決について解説します。

「不許可処分」の取消を求める

 今回は、裁判上の争点となった「メガソーラーの建設事業地内の川に橋を架けることを市が不許可とした処分の有効性」に関し、裁判所が判断した部分を紹介したいと思います。

静岡地裁の外観
(出所:日経BP)
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 ことの発端は、原告による八幡野川の敷地占用に係る許可申請に対し、伊東市が「不許可処分」としたことにあります。今回の訴訟は、原告がその「不許可処分」の取り消しを求めたものです。

 経緯は以下です。伊東市内において太陽光発電施設の建設を計画する原告が、普通河川である八幡野川の敷地の占用に係る平成30年11月19日付け許可申請(以下「本件申請1」)及び平成31年2月7日付け許可申請(以下「本件申請2」といい、本件申請1とあわせて「本件各申請」)を行ったところ、伊東市長が、同月13日付けで、本件各申請に対し、いずれも占用を許可しない旨の処分(以下、「本件各不許可処分」)をしました。原告は、本件各不許可処分には他事考慮などの裁量の逸脱又は濫用の違法及び理由付記がされていない重大な手続違反があるなどと主張して、本件各不許可処分の取消しを求めて提訴しました。

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