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メガソーラーの工期が遅れました。どんな場合に施工者の責任が問われますか?(page 2)

<第53回>太陽光発電所の建設における「工期遅延」のトラブル

2019/07/24 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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工期遅延の原因に応じた対応

 上述のように、工期遅延の原因は様々で、それらの一つ、または複数が原因となって工期遅延が発生する場合もあります。その場合に、当該遅延によって生じた損失の負担はどのような形で決定されるのでしょうか。

 一般的に、工期遅延による損害賠償請求が認められるための要件としては、次のように整理されます(図2)。

図2●工期遅延による損害賠償請求が認められるための一般的な要件
(出所:匠総合法律事務所)
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 工期遅延による損害賠償額の算定方法につき、例えば、東京地判平成28年4月7日判決では、工期遅延の原因ごとに(遅延の発生と原因の存在)、当該原因が誰に帰責するものなのか(原因の帰責性)を判断し、その上で損害の認定を行っています(損害発生との因果関係)。

 具体的には、SPC・アセットマネージャー、請負業者側の双方に工期遅延の原因があるとして、それぞれ具体的にその原因を認定し、その上で、当該原因と損害発生との因果関係の存否を判断しています。

 なお、この裁判例では問題となりませんでしたが、例えば、一つの工期遅延の原因について、双方に帰責性がある場合については、損害額について責任割合による過失相殺の適用もあり得るところです。

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