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新築建物で太陽光の発電量が減った場合、どこまで損害賠償できますか?(page 3)

<第54回>太陽光発電パネルへの日照阻害が発生した場合の損害賠償金額

2019/08/23 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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当事務所の立場は?

 上記のとおり、損害の考え方としては、無駄になった投資費用相当額を損害とする考え方と太陽光発電システムにより発電をして収益する利益も損害に含まれるという考え方のいずれの考え方もありうるところです。

 この点についての私見は以下の通りです。

 太陽光発電システムに日照を受ける利益の保護は、絶対的な法的利益ではなく、太陽光発電システムの所有者の法的利益と隣地所有者の土地所有権に基づく法的利益の利益衡量により定まるものです。

 学説上も受光利益は、太陽光パネルによる受光を遮る障害物が存在しないという、他者の土地利用状況に依存して享受しうる利益(状況依存的な利益)と解されています。

 そうすると、特に公法上の規制に違反していないにもかかわらず損害賠償を命じられる場合には、太陽光発電システムを使って得られる経済的利益まで賠償の範囲に含まれるとするのでは、損害賠償の範囲が広すぎるのではないでしょうか?

 福岡地裁平成30年11月15日平30(ワ)358号は、受光利益は法律上保護に値する利益に当たるけれども、他方で受光利益を超えた権利性を認めませんでした。これは、「どの程度の受光が確保されれば権利ないし利益の侵害とならないかなどの明確な基準が存在しないことに加え、電力の安定的かつ適切な供給の確保及びそれに係る環境への負荷の低減を巡る今後の社会の情勢や政策手法の変更にも影響される」ことから、具体的な権利内容が特定できない点を理由とすると考えられます。

太陽光パネルへの影は、発電量の低下に直結する
(写真はイメージで裁判事例とは関係ありません)(出所:日経BP)
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