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パネル設置で人手が足りず、ブローカーを通じて職人を集めました。法的に問題がありますか?(page 2)

<第56回>太陽光発電の工事に介在する「ブローカーリスク」

2019/10/09 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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「CM方式」なら大丈夫か?

 ところで、事業主から建設工事を受注した無許可業者との間の契約が、工事請負契約ではなく、当該無許可業者がCMR(コンストラクション・マネージャー)として設計の検討や工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理などの各種マネジメント業務を行うとするいわゆるCM(コンストラクション・マネジメント)方式による契約形態であると考えることで、当該業者は建設業法3条1項にいう「建設業を営もうとする者」に当たらないとすることができないでしょうか。

 しかし、一般に、このようないわゆるCM方式であっても、「施工については、発注者がCMRのアドバイスを踏まえ工事種別ごとに分離発注など…を行い、発注者が施工者…と別途「工事請負契約」を締結する」と理解されており(平成14年2月6日国土交通省CM方式活用ガイドラインⅡ1参照)、原則として、CMRが直接に工事を発注することは想定されていません。

 また、CM方式のうちには、発注者がCMRに対し、マネジメント業務に加えて施工に関するリスクを負わせる場合があり、このようなCM方式を「アットリスクCM」と呼びますが、この場合でも、「CMRが専門工事業者と直接に工事請負契約を締結する場合などは、マネジメント業務の担い手というCMRの本質的な性格を越えて、工事請負人的な性格を帯びるものと考えられ」、「CMRが一連の建設工事の完成を請け負う営業を行うのであれば、建設業の許可を有していることが必要である(建設業法第3条)」とされています(前掲国土交通省CM方式ガイドラインⅡ2参照)。

 以上によれば、無許可業者が工事を発注している以上は、当該業者をCMRとする一般的なCM方式による契約形態と考えることは難しいと考えられます。仮に「アットリスクCM」方式であると考えた場合だと、当該業者は建設業法3条1項の規制の対象となります。

 したがって、(アットリスク)CM方式による契約形態であると考えるか否かを問わず無許可業者は「建設業法3条1項の規定に違反して同項の許可を受けないで建設業を営む者」に該当するため、当該業者から建設工事を受注することは建設業法28条1項6号に違反することになり、同条3項以下に規定する指示処分や営業停止処分を受ける可能性があります。

図2●パネルの設置には、電設工事に慣れた多くの職人が必要になる
(出所:日経BP)(写真はイメージで本文の内容と直接関係しません)
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