特集

新政権の再エネ政策によって住宅業界はどんな影響を受けそうですか?

<第67回>再エネ「優先接続」に伴う住宅太陽光の方向性

2020/10/30 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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 経済産業省は10月13日、菅義偉政権のエネルギー政策の方向性を示す新たな「エネルギー基本計画」の策定に着手しました。

 筆者が専門分野にしている住宅・建築業界においても、今、この新しい再エネの流れに乗っていこうという動きがあり、法律相談も舞い込んできています。住宅・建築業界においては、業界団体というものがあり、日本全国組織にて活動していますので、この業界団体単位での動きも出てきています。

 法律相談を受けているなかで、太陽光パネル設置と住宅・建築業界のかかわりについて新たな方向性を感じましたので、今回、紹介します。

「先着優先」から「再エネ優先接続」に

 ポイントは、再生可能エネルギーの優先的な接続にあります。

 現在の送電ルールは、事前登録をした発電所から順次送電する「先着優先ルール」の仕組みを採用しています。旧一般電気事業者の火力発電や未稼働の原発の送電利用枠がまず確保され、容量や需要を超えると再エネの出力抑制が要請され、これが「九電ショック」などの社会的問題を引き起こす背景になりました。

 「発電しても送電・売電できない」というのでは、再生可能エネルギー発電事業のビジネス上のリスクと言わざるを得ません。

 こうしたなか、経済産業省が7月に、「先着優先ルール」から、事実上の「再エネの優先接続」に舵を切るとの方向性を発表したことが、住宅・建築業界のプレイヤーの心に火を付けたと感じています。

 現行制度上、地域間連系線を除くすべての送電線について、「先着優先ルール」が適用されていますが、経産省は、「地域間連系線と同様に、基幹送電線の利用ルールも、メリットオーダー(限界費用の低い順に系統利用できる仕組み)に基づくルールに転換していくこと」を今後の制度変更の基本方針としています。これが実現すれば、ノンファーム接続(系統混雑時の出力抑制を条件にした接続)などの仕組みで系統容量を超えた電源が接続されているような場合、太陽光や風力発電など燃料が不要で、限界費用がほとんどゼロとなる再エネ電源が優先的に系統を利用できるようになります(図1)。

図1●経産省は基幹送電線の利用ルールの見直しを検討し始めた
(出所:経産省・再生可能エネルギー大量導入・次世代ネットワーク小委員会・2020年8月31日)
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