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平成から令和、法律相談の傾向と2020年のポイント

<第58回>建設業許可や民法改正、適切な契約書などで配慮すべきこと

2019/12/30 05:00
弁護士法人 匠総合法律事務所 代表社員弁護士 秋野卓生
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2020年は「資金繰り悪化」への対応も

 今回は、年の瀬の掲載ということもあり、2019年を振り返って、太陽光関連に携わる事業者がどんな法律問題に直面してきたのか、2020年に向けて、どんな点に注意しておくべきか、などに関してまとめたいと思います。

 2019年も、様々な法律相談に対応しましたが、太陽光発電に関しては、売電申請のミスに関するトラブル相談が多かったという印象です。

 また、当事務所は建設関係に関する法務が専門の法律事務所であるため、建設業法対応の法律相談が多く寄せられました。また、JV(合弁事業)組成やJV内部におけるトラブル対応の法律相談もありました。

 今後、増加する可能性がある法律相談は、資金繰りが悪化した太陽光関連事業者からの倒産に関する法律相談であろうと考えています。

 太陽光関連事業者には、メガソーラー(大規模太陽光発電所)という売買できる対象物件(事業それ自体の譲渡もできますし、株式譲渡も可能です)がありますので、収益が悪化した場合には、金融機関と交渉しながら、施設の売却代金による弁済計画を立て、私的整理または法的整理を検討していくことになります。

 一方、2019年夏には台風など自然災害で損害を受けた太陽光発電施設からの法律相談もありました。その際、相談を受けていて悩んでしまう点は、台風をきっかけとして、太陽光発電施設設置工事の瑕疵が判明してしまうケースです。

 この場合には、不可抗力というわけにはいかず、また、理論的には、保険対応をした後、損害保険会社から施工会社に対して求償がなされるリスクもあります。意外と損害保険会社からの求償リスクを考えていない事業者が多いので、この点は気をつけなければなりません。

2019年夏に被災したメガソーラーの例
(出所:日経BP)
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 様々なリスクが想定される中、やはり、契約書にて予想されるトラブルに関する処理方法についてリスクヘッジをしておくことが重要です。

 「契約書」は、既存のものがあり、あえて新しい契約書への見直しをする機会は少ないかもしれません。しかし、2020年4月1日から改正民法が施行されますので、既存の契約書は、一斉に見直しの対象となります。

 この民法改正をきっかけとして、「既存の契約書で大丈夫か?」という観点から契約書を再検証すべきと思います。以下、上記に取り上げた諸点についてポイントの解説をします。

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