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「FIT終了」に現実味、その時、太陽光ビジネスに求められるもの(page 4)

<第18回>「市場ベース」「買取義務の消失」で事業形態が激変

2019/06/28 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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電力販売「代行会社」が台頭

 電力市場で電気を販売することが原則となったドイツでは、取引市場への売却を代行する会社が重要な役割を担うようになった。市場取引に参加するには、市場の会員になる必要があるし、入札手続きの手間を考えれば、小規模な発電事業者は代行会社に売電を頼むのが現実的な対応となる。

 ここで優良な代行会社は、電気に付加価値を付けることができる。例えば、出力変動する太陽光・風力発電を使っても、安定して電気を供給するために様々な工夫を行う。風力と太陽光、バイオマス発電の組み合わせを最適化したり、蓄電池やデマンドレスポンス(需要応答)を活用したりすることで、需要ピークへの調整力を保有する。

 電気を供給する側の工夫だけではない。電気供給カーブにあった電力需要ポートフォリオを作ることで、デマンドサイド(需要側)を積極的にマネジメントするという発想もある。そのほか、カーボンフリープレミアムを認識し、再エネの大量導入を目指す「RE100」関連企業へ販売したりすることも考えられるだろう。

 それらを実現するのは、個別の電源と電力需要のリアルタイム情報の収集、直前や2日前予測を正確にするためのノウハウが重要になる。これらの蓄積や実績があるから、再エネ電源が集まり、再エネ電源があるから供給先の開拓が容易になる、という理想的な循環を生み出せれば、次の電力業界で素晴らしい代行会社となるに違いない。

 このように、「FIT後の再エネの世界」は、単に買取価格の決め方が変わるだけではない。買取義務がなくなる一方、時間帯や電力品質、再エネ種別の違いなどによる価格の変動など、取引の態様が大きく変わることが予想される(図3)。

図3●FIT終了後の再エネビジネスのイメージ
(出所:筆者作成)
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