特集

太陽光発電にもAI活用、O&Mコストが大幅に低下(page 2)

<第19回>ベテラン技術者の「経験」と「労力」を代替

2019/07/31 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
印刷用ページ

メンテナンスに3タイプ

 メンテナンスの考え方は、飛行機の重大事故を引き起こさないために高度に発達した。そのなかでは、事故が起きたときの大きさからカテゴライズし、壊れる前に定期的に部品交換してしまうという「予防保全」によるメンテナンス、壊れそうになったことを察知し、修繕する「予知保全」、壊れたら交換する「事後保全」という3つのポリシーが採用された。

 太陽光発電のメンテナンスでは、パワーコンディショナー(PCS)など影響の大きい高額部品については予防保全のポリシーに基づき、メーカーによる定期点検が実施されている。一方、太陽光パネルやケーブル、架台などの部品は故障によるリスクが限定的であるため、「壊れたら交換する」という事後保全の考え方が採用されている例が多い。

 しかし、太陽光の場合には、出力2MW規模の発電所において、パネルが8000~1万枚程度設置されている。量が多過ぎること、検査のためにブレーカーを切らなければならないこと、移動コストなどを考慮して、日ごろは目視点検のみで、検査装置を利用した点検は年に1回程度で済ます発電所が多い。

 パネルの健全性チェックは、ストリング単位でデジタルマルチメータなどを用いて開放電圧を測定する必要があり、のべ数十時間ほどの作業量となる。

 ただし、事後メンテナンスも故障数が多くなる過ぎると、故障によるコストが無視できないほど大きくなってしまう。したがって、最近はストリング監視を取り入れ、コンピューターによる監視を行い、兆候が生じたときは、タイムリーに交換できるようになった。わざわざ現場に行って測定作業をしなくても、常時モニタリングができれば、メンテナンスの効率性は大幅にアップする(図2)。

図2●メンテナンスの考え方
(出所:筆者作成)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング