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太陽光の新・O&M制度、経産省の思惑が見えた!?

<第20回>FIT後を見据え、「O&Mコスト高止まり」を打開へ

2019/08/28 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
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 固定価格買取制度(FIT)の「抜本見直し」により、太陽光発電については、ポストFITの枠組みへの移行が現実味を帯びている。太陽光発電業界はそうした将来を見据え、新たなビジネスモデルを打ち出している。高性能化と低コスト化が進む太陽光パネルを活用した「自家消費モデル」や「第3者所有モデル」などの話題もよく聞くようになった。

 特徴としては、大規模な案件を追うのではなく、小規模なものにビジネスチャンスが大きそうだということだろう。小規模出力の太陽光は今後の主流になりそうな勢いだ。ただ、この分野では、O&M(運営・保守)に不安が残る。今回は小規模太陽光の普及とそのO&Mについて考えてみたい。

小規模太陽光が主流に!?

 日本の太陽光発電は、1980年代頃から住宅の屋根上で発達した。FITの導入でメガソーラー(大規模太陽光発電所)に一気に火がついたが、FITが終了すれば、一気にクールダウンすることになるだろう。大規模な資金調達が必要なメガソーラーは、FITがなければ、保守的な金融機関や投資家の対応が難しくなると考えられるからだ。

 FIT終了後、太陽光ビジネスは、FIT前に比べてどのように変わるのだろうか。

 FIT前と比較して、まず大きく異なるのが、太陽光発電システムのコストダウンである。海外では2セント/kWh以下の落札価格でもメガソーラーが事業化されている。それくらい今の太陽光システムは、性能が上がる一方でコストが下がっている。

 日本で今すぐに「2セント」は無理であるが、システム価格が急低下したおかげで、8〜10円/kWhは近い将来十分に達成可能なレンジとなった。

 日本の電力需要家は高圧受電であっても8円/kWh以上の電力料金を支払っているため、現時点ではまず「自家消費モデル」により、太陽光が普及することになる。自家消費モデルには、電力会社の送配電線を活用し、託送料金を負担した上での仕組みも想定されるが、その場合、託送料金がかかってしまう(図1)。

図1●「託送」を利用した太陽光の自家消費モデル
(出所:筆者作成)
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 さらなるコストダウンが進むまでは、電力会社の送電線を使用せずに電気が送れる屋根上など、電力消費地に置かれることになる。電力の消費者が発電も手掛けるようなこうした形態を「プロシューマー」と呼ぶこともある。

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