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千葉・水上メガソーラー事故、強風で損壊したメカニズム考察(page 3)

<第21回>アンカーケーブルが切れた理由を設計面から分析

2019/09/25 06:25
大串卓矢=スマートエナジー社長 
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「まくれ上がり」には対策

 国内における強風による水上太陽光発電設備の事故としては、先端の「まくれ上がり事故」が2016年に生じた。各発電事業者はその対策として、先端のフロート架台にまでアンカーケーブルを設置したり、フロート内に水を入れたりするなど、端の「まくれあがり対策」を実施した(図4)。

図4●2016年には強風でフロート架台がまくれ上げる事故が起きていた
(出所:日経BP)
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 フロート架台は全てのフロート設備にアンカーケーブルを敷設するのではなく、エリアごとに1つのフロートだけにアンカーケーブルを付け、全体を固定する。

 例えば、図5で説明すると、フロートBにアンカーケーブルを設置し、フロートA、B、Cが動かないように係留する設計をしたとする。そのとき、フロート全体では強風に耐えられる計算となっていた場合でも、フロートAはフロートBとのジョイントのみで固定されることになっている。しかし、フロートAが強風にあおられて、中に浮いてしまった場合、それを打ち消すような力はフロートAには働かない。そこで、先端部分はまくれ上がりやすいという構造的な欠陥があることがわかった。そこで、フロートAが風にあおられにくいように、フロートAに水を入れて、重量を増したり、アンカーケーブルに支線を設置して、フロートAにもその支線をつなぐようにする変更が加えられた(図5)。

図5●先端のフロート架台の「まくれ上がり」
(出所:筆者作成)
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