特集

「FIT」から「FIP」への制度変更で、太陽光発電は増えるのか?

<第22回>買取価格の「市場連動」で売電収入はどうなる

2019/10/30 05:00
大串卓矢=スマートエナジー社長
印刷用ページ

 経済産業省は再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会(第1回:2019年9月19日)を開催し、ついに再エネ普及の手段である固定価格買取制度(FIT:Feed in Tariff)を終了させ、次の新しい制度のあり方について検討を始めた。

 小委員会では、フィード・イン・プレミアム(FIP:Feed in Premium)制度という単語が挙げられた。今回は、この「FIP制度」の概要について解説し、太陽光発電の将来について考える。

FIT制度の3つの課題を克服

 FIT制度のもと、再生可能エネルギーは10.4%(2011年度、水力含む)から16%(2017年度)へ増加し、再生可能エネルギー導入容量として世界第6位となった(といっても世界一の中国の10分の1に過ぎない)。

 再エネの導入目標は2030年に22〜24%であるから、増加ペースとしてはまずまずであったと評価できる。しかし、FITによる買取費用(賦課金)の総額は3.6兆円となり、FIT制度に依らない再エネ普及の制度に変更することが既定路線となった。

 ここまでの議論は「再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会」において実施された。

 FIT制度は、電気事業者による再エネ電気の調達に関する特別措置法に基づくものだが、もともと2021年3月に「抜本的な見直し」が予定されていた(第2条3項)。従って、来年度2020年は最後のFIT期間となり、2021年は新制度への移行期間として位置付けられている。従って、スケジュールとして2020年度の国会で可決されるように制度設計が行われるだろう。

 新しい制度でのポイントは、発電コストの引き下げ、太陽光発電以外の長期安定電源の導入、系統制約の克服と適切な調整力の確保の3つである。そのためにどのような制度が導入されるのか、非常に重要な議論が行われることになる(図1)。

図1●既存FIT制度の問題点
(出所:再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会資料・令和元年9月)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング